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自己啓発が成功しない10の理由

「モデリング」が成功しない理由


神経言語プログラミングの前提は・・・正しい?

NLPの基本的な考え方は「既にうまくできた人がいるのなら、できないはずがない」という前提にあります。
そしてうまく行うために、体の使い方や、考え方、感情などを一致させる方法、つまりモデリングを行います。

その行動には「脳をプログラミングする方法で、できないことをできるようにする」という考え方があります。

では実際に、私たちが既にうまくできた人と、同じように振る舞い、行動をコピーして、考え方を導入すれば、その人と同じ成果を出すことができるのでしょうか?

林檎が木から落ちる前のニュートンと同じように脳神経をプログラムすれば、木から林檎が落ちた瞬間に必ずひらめきが生まれる・・・ということはなさそうに感じないでしょうか?

宮本武蔵が2本の刀を持ち、素人にすればただの前傾姿勢でダラっとしているだけに見える自画像は、武道の達人が見れば究極のフォームだといいます。
そのフォームを完全に模倣し、そのときの宮本武蔵の心情をよく研究して心持に取り入れれば、私たちも剣豪になることができるのでしょうか?

だいいち、取り入れるなどということが本当に可能でしょうか?
私たちは経験則で、それがかなり不可能に近いことを知っています。

脳に同じ電気信号を通せば、必ず同じような反応と期待する成果を得ることができるとはいえないことは、脳科学からも説明することができます。


 

ニューロンとシナプスの発達によって人格と得意分野が異なる

人の脳は3歳頃から情報選別をはじめます。
多様で大量の情報を全て受け入れるとCPUがフリーズしてしまうからです。

そして情報選別を優先する脳の分野のニューロンとシナプスが発達し、生きていく上での得意分野となります。
脳のどの部分が発達するかは環境と遺伝子が決めるとされています。

ニューロンは脳内の電気信号の通り道です。
その通り道が人によって異なるということは、人によって処理できる情報に差があるということです。

だから、同じプログラミングを別の人に導入しても(そんなことが可能ならですが)、同じ成果を導くことはできない、ということになります。
これが脳の構造から見た、NLPがうまく働かない理由です。


 

モデリングは得意分野にのみ成果を発揮する。しかし・・・

発達したシナプスをより多く持つ脳の部分は、その部分が司る活動を人よりもうまく行うことができます。
たとえば全身を動かすことが得意な人は、新しい格闘技やエクササイズをはじめるときに、手本となるインストラクターの動きをよく見ることで、短時間で「型」を取り入れることができるようなケースもあります。

しかし、格闘技にしろスポーツにしろ、最大の成果を引き出すことができる人というのは、基礎訓練に気が遠くなるほどの時間をかけています。
たとえばボクサーはスパーリングよりも、縄跳びやスクワット、ロードワークに対して多くの時間を取るということはよく知られています。

最高の成果はいつも必ず積み重ねによって習得され、モデリングによって得ることはできません。
モデリングは導入部分をスムーズにするために力を発揮するだけです。


 

モデリング、もうひとつの問題

モデリングではボディランゲージに注目することに重きを置きます。
そしてその行動の意味を心理学的に解明します。

しかし行動と心理の相関性は完全ではありません。

たとえばあるとき、私は行動心理学に詳しい人の前で話をする機会がありました。
話している途中で鼻が痒くなり、掻いていると、その人の顔の表情が複雑になっていきます。
会話途中で顔のパーツを触るという行為が、ウソをついているか隠したい内容を話しているという心理があることは私も知っています。

こうして誤解が生じたわけですが、テクニック重視のスキルにはこのような誤解(不正確)を招く問題がよく起こります。

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