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自己啓発が成功しない10の理由

「紙に書く」が成功しない理由


七夕の短冊

子供の頃七夕の笹に、願い事を書いた短冊をくくりつけた記憶のある人は多いと思います。
願いがかなったことのある人はいるでしょうか?

「紙に書く」という行為は、特に「ハーバード大学を卒業した60代の人々にアンケートを取ったところ上位数%の人だけに共通していたのは、目標を紙に書いていた」という実例で、もっともらしく説明されます。
本当でしょうか?

なぜそんな疑問を持つのかというと、紙に目標を書かなかった歴史上の偉人がたくさんいるからです。

あるいは統計上、60代の人にアンケートを取ることや、1期に絞られること、統計のデータがかなり前のものであることなどから、データの信頼性が低いと考えざるを得ないからです。

仮にこの実例が正しいとして、成功と書くことの相関性はどのように証明されるのでしょうか?
七夕の短冊と何か違うのでしょうか?


 

過去の目標に縛られる今日と明日

4年前に紙に書いたことを実現した、というある50代の女性の話を聞いたことがあります。

その話をしている彼女は「どうだ」と言わんばかりでしたが、紙に書いてから4年間、過去の目標のために一生懸命だったということを告白したのです。
彼女は完全に過去に生きる人でした。

それとは逆に、紙に書いたことが実現しない人はたくさんいます。
実現した人よりも圧倒的に多くの人が、紙に書く行為によって成果を出すことに失敗しています。


 

書くタイプと聞くタイプ

マネジメントの父ピーター・ドラッカーは、「人は書くタイプと聞くタイプがいる。書くタイプは話しても覚えることができず、聞くタイプは文字で伝えることができない」と言っています。

ベートーベンを例に挙げて「彼は頭に浮かんだ旋律を必ず書いた。
しかしそれを二度と見なかった」と言っています。
ある人がベートーベンに「書いても見ないのなら意味がない」と言ったところ、「書かなければ思い出せない。
しかし一度書いたらもう忘れないので見る必要がない」と応えたといいます。

これに対してある政治家はいくらメモを渡しても、決してその通りには行動しなかったといいます。
政治家は聞かなければわからないタイプだったということです。

さて、聞かなくてはわからないタイプの人が、書くことで成果を出すことができるでしょうか。


 

アファメーション以上の成果は生まれない

紙に書くことが心理的に与える好影響は、それがアファメーションになるということです。
忘れることを防ぎ、何度も見て読み返すことで脳に刷り込みを行い、その物事の強度を高める効果があります。

だから「紙に書く」という方法は、「自分が何を行うべきか知っている人」にのみ成果を上げます。
曲を作ることが自分の仕事であることを知っている、ベートーベンのような人にのみ、効果を発揮します。

そうでない人には全く成果の上がらない方法です。
成果が上がらないだけではなく、過去の決め事に自分を縛ってしまうことになります。

しかし、ここが大切なところですが、やるべきことがしっかりとわかっている人は、「紙に書くということをしなくても」自分がやるべきことを正しく知っています

アファメーションしなくては忘れてしまうようなことは、所詮体(深層心理)が本当には求めていないものである、という見方もできるわけです。

だから、自分が行うべきことが何かを知っている人は、アファメーションをスキルの一環として利用します。
ベートーベンのように忘れないためのスキルとして利用したり、避けて通ることができない苦手分野を早く克服しようとする場合に使います。

アファメーションが人間心理のどの部分に効果を発揮するのか、何を強化するのかということを知っていれば、「紙に書く」という行為が目標達成するツールにはならないということがわかります。

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