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この言葉をよく使う人

「要するに」


「要するに」を多用する人

「要するに」は、

「A=B。B=C。C=A。だよ」
「要するに、AとBとCは同じということだね」

「Dさんは、14時に東京発の新幹線に乗って、15時半に名古屋を経て、16時半に大阪に到着した」
「要するに、16時以前は大阪にいなかったわけだ」

というように
・まとめ
・要約
として、本来は使われます。

この言葉を多用する人は、
まとめる必要がないのにまとめなければならず、
要約する必要がないことまで要約する、
ということです。


「要するに」を多用する人の心理

無理にまとめなくてもいいし、要約し続けなくてもいいのに
いつも「要するに」を言いたがるのには

1.自分の方が賢いと証明し、相手を下げないと安心できない心理
2.真剣に取り組むことに拒絶を感じる心理

のどちらか(どちらも)があるからです。

どちらにも行動として共通しているのは、
人の話をよく聞かない、ということです。

「自分の方が賢いと証明し、相手を下げないと安心できない心理」が働いて
この言葉を多用するとき、
相手が自分の求めている答え以外のことを話し出すのが我慢なりません。
それは、

「自分の方法でやれば物事はうまく行くのに、
この目の前の人間は、ダメな方法を行う人だ」
「だから、くだらない話には付き合わず、
早く話をまとめて次に進まなければならない」

という心の状態にあります。
このため人の話に耳を傾けるこということができません。
人の話をよく聞くにもかかわらず「要するに」を多用する場合は
心の中にフラストレーションを溜めながら、
同時にコミュニケーションだけは円満に行おうとすることによって
人間関係を悪化はさせないでおこうと試みているからです。
苛立ちと、それ以上の無駄話(自分にとって)を封じるために
「要するに」を多用します。

「真剣に取り組むことに拒絶を感じる心理」でこの言葉を多用するときは
話の内容よりも
話しているジャンルや物事そのものに意味がないと感じている場合です。

妻「今日仕事でAさんがこんなことをしてね、そしたら課長が~~」
夫「要するに、そういうことをしなければよかったんだろう?」
妻「・・・・」

「要するに」を多用する人の心理は、
少なからず相手と相手の話に価値を置かないという習慣が身についています。
根底に「自分の方が優れている」という無意識の自覚があり
だからこそ人の話をよく聞くことができないわけです。


「要するに」を多用する人の傾向

「要するに」を多用する人は、言葉を要約したいのではなく
相手を下げ、自分の優位を確認(表現)したい気持ちがあります。
しかし同時に、それを行ったときはストレスを感じます。
相手のにぶさ(と本人が思っていること)がストレスの原因になります。

そして同じ人に、同じような習慣が継続すると
その相手の無能さ、バカさ加減が心の中で決定してしまいます。
あからさまに指摘できない関係であれば、皮肉、早めに話を終わらせる会話となり
身近である程度甘えが許されるなら、いじられキャラとして扱われたり露骨な苛立ちを表現したりします。

「要するに」を多用する人は、
基本的に「にぶい」「遅い」「くだらない」こと(と本人が考えること)に拒否反応を示しますが
程度がひどくなると、周囲のすべての人や社会にまでその範囲が広がります。
自分以外の人はみんなバカ、という考え方をするようになります。

これは「だから」を多用する場合にも同じようなことがあります。

「要するに」を多用する人は、どちらかというと
人の上に立つ立場の人に多い傾向があります。
または、人の上に立っていると無意識で思っている人が、そのような振る舞いをします。

「要するに」を否定的な言葉として多用する人は
この言葉を攻撃的に使うこともあります。

A「ヨーロッパに比べれば日本の消費税率はまだまだ低い」
B「要するに、君は物価を無視して税率だけを取り上げるわけだ」

このように「要するに」を使う場合、
まとめ・要約ではなく、「否定の結論」を伝えることになります。
この「否定の結論」として「要するに」を多用する人は
自分が優位であることを積極的にアウトプットする人です。


「要するに」を多用する人との付き合い方

「否定の結論」として「要するに」を使う人と付き合うのはなかなか難しいでしょう。
笑って流せる人や、発言内容が別に気にならない人など
天性の素質によって付き合うことができる人はそのままで構いません。

結論を急ぎたいタイプの人に対しては
相手が求める要点を最初に挙げる、「会話の工夫」によって
対応すると効果的です。

なかなかそれができない人は
自分の意見を控えめにして、相手の結論を先に聞く。
そして疑問が残ればそれを端的に質問し、話させる。
という方法が無難です。

このタイプが恋人なら、
相手に合わせるにも限界があるので、
その限界を超えないうちは、そのままの付き合いで構わないでしょう。

もしどうしても関係に不整合があるなら、
まず「ちゃんと話を聞いて」「結論を急がないで」ということは無意味です。
相手は自分が「自分優位で、相手の話を尊重しない」ということに気がついていません。
むしろ一生懸命話をもっと効率よくうまくできる方法を行なっている、と考えています。
その相手に向かってコミュニケーションの提案をすることは
「じゃあ君がちゃんと受け答えしろよ」という結論を導きます。

対象が恋人で、関係が切羽詰っているのなら
「要するにでまとめずに、話を最後まで聞く耳を持ってほしい」とした上で
しばらく距離を取って考える時間を与えてあげてもいいかもしれません。
もちろん、省みない可能性はありますが
そのときは別れた方がいいでしょう。
別れることが前提なら、相手が気がついていないことを最低でも1度は
正しく、思いやりを持って指摘してあげた方がいいでしょう。

このタイプが上司なら、
相手の心理はひとまず置いて
「速い仕事」「要点」を好む。
ということは効率的である。
という視点で、仕事のやり方をシフトするのが望ましいでしょう。

ストレスに感じて文句を言い続けるよりは、
この言葉の本来の意味にあるメリットを十分に生かすべきです。

ただし、それができるようになると
「評価」されるようになるので、そのときは感情を出しすぎないことです。
かといっていかにも無価値という態度もいけません。
感情を出しすぎると「図に乗っている」
無価値という態度を取ると「何様だ」
と思われます。

適度に「ありがとうございます」程度の挨拶をしておけば、評価は崩れません。

このタイプが部下なら
直接指摘して構いません。
「要するに」といっていることと、言葉の後にどのような行動を行っているか
その結果人間関係や仕事にどんな影響が出ているかを説明し
改善を求めていいでしょう。

ただし、理解に聡いことや要点をつかむ力などについては
正しく評価しているということを伝えるべきです。
評価なしに改善だけを求めると、
心理の根底にある「自分の価値証明をしなくてはならない」という状態が
危機に面するので、反発を食うことになります。


「要するに」の多用を変える

自分が「要するに」を多用していることに気がついたら
その言葉を使うことをやめるよう試みます。
言葉と心理が密接にリンクしているので、
言葉が改善されれば心に余裕が生まれ、人の話が聞けるようになります。

なかなかそれができないときは、
「ということは?」
「つまり?」
と、結論を投げかける言葉を相手に質問します。

または
「今の話は、まとめると○○と△△ということで合ってる?」と
話を具体的にまとめる質問をします。

これらの方法は、
相手を下に見ない人で、かつ話の結論を急ぐ人が行う方法なので
この方法を試してみるといいでしょう。
または最初から
「時間があまりないので、悪いけど要点だけ教えて」
「急ぐので、端的に答えてもらっていいかな」
というのも同じ方法になります。

普通の会話の中でこの言葉を多用してしまうなら、
今回は「相手の話を聞く」「口出ししない」という練習をやってみます。
何か別のことをやっているのなら、
その物事を一度中断して、正面から向き合います。

「人の話を聞く」という習慣をつけると共に、
相手の会話の癖をよく観察して、「こういう風に言ってほしい」というところを見つけたら
いつものように会話が始まる前に
「ちょっと気になっていたんだけど、こういう風にしてくれないかな」と
提案することで会話をスムーズにするようにやってみるといいでしょう。

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