Esmose

コラムを読む

イノベーション

イノベーション12~妄想ニホン料理


一度話題を軽めに。
妄想ニホン料理という番組がNHK でやっていた。

いくつかの外国のシェフに
日本の料理のアウトラインだけを伝えて
…親子丼は親と子がご飯の上に乗っており
仕上がりはトロトロである…
イメージで料理を作ってもらう。

創作的な、様々な国の料理が親子丼として出てくる。
…というようなクリエイティブを喚起する企画。番組。

斬新な料理はやはり美味そうであり
見たことがないが食べたくなるようなものが作られる。

新しいものはときに、
不足した情報から生まれる。
手順をきっちりと守るルールからは生まれない。

例えば、日光東照宮や石清水八幡宮に彫られている象は
象を見たことがない当時の職人が
聞いたイメージから象を創造して彫った。
現実の象とは似ても似つかないが、
そういうものを取り入れるイノベーションが当時にはあった。

この不足した情報というのは
不足しているコップの半分の水に似る。

ただしこの不足した情報は
イノベーションのないクリエイティビリティを生むことがある。
創造性は必ずしもイノベーションにはならない。
なることもごく稀にある。
だがイノベーションが創造性に頼ることはほぼない。

イノベーションは芸術性ではなく
世界の可能性を拓かなければならない。
世界が開けなければ世界の向上に、
世界の向上が開けなければ熟練に、
熟練がムリなら技に革新を生み出さなければならない。

だから音楽の世界では今でもクラッシックが幅を利かせている。
ロックもジャズも全てクラッシックが派生源として影響を持つ。
それでも新ジャンルを生み出すことはイノベーションにつながるが、
現代音楽のような創造性の高いものは
芸術になり得てもイノベーションにはならない。
現代音楽が、クラッシックをあるいは音楽の世界を
飛躍的に変えることはない。

イノベーションは芸術ではない。
創造しても世界に影響を与えないものはイノベーションではない。

イノベーションは創意工夫でもない。
そういう工夫であれば、身近なもので代用すれば
それもイノベーションになってしまう。

イノベーションは改善でもない。
今あるものをベースに改善することはイノベーションでは
なく効率効果でしかない。

イノベーションはそれがある前と後では
世界のあり方を変えてしまう新しいものの創造をいう。
新しければいいのではなく、世界の方向を指し示す必要がある。

トップに戻るボタン