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イノベーション

イノベーション16~不足イノベーション

新しいものが不足から生まれることがある。

箸置きが箸よりも先に生まれたはずがない。
誰かが箸をおくときに何かの不足を感じたから生まれたはず。

ソフトやアプリが生まれるのは
ほしい物がハードの中に不足しているからで
異性と一緒にいたいと思うのは
不足による寂しさを感じるから。

口伝では正確に物事が伝わらないという
正確さの不足を解決するため文字が生まれた。
現代では正確さの伝達にマニュアルというものも生まれている。

コップに水が半分しか入っていないという考え方が
つまり不足と不足感が
イノベーションを生み出す。
このイノベーションは多くの場合
世界に影響を与えるイノベーションを生み出す。
世界を変えるイノベーションの場合もある。

不足を工夫や代替で解決するとイノベーションは起こらない。
根本構造を変えるか(手順やルール)
根本的な世界観を変えるしかない。(前提、常識観)

イノベーターにはある程度の不足に対する憎しみが必要で
受け入れや妥協は何のイノベーションも生み出さない。

何かが足りないという感覚は、
ある人にはそれを感じても、
別のある人はそれを全く感じないということがある。

感受性が強く、より困る状況に立たされている(いた)人ほど
イノベーション感覚は強い。

世界は不足から生まれていて、
今不足していないものは全て不足の解消によって作られている。
というような
ひとつ偏ったセンスがイノベーターに要求される。

充足しているものの中に不足を見つける
常識の中に不足を見つける
関わる人の中に不足を見つける
例えば、外国に住んでその国の常識を身につけると
日本に不足しているものと
その国に不足しているものの両方がわかりはじめる。

結婚してみると独身の頃の不足が何かわかり、
離婚すると結婚に不足していたものがわかる。

状況や環境を変えることで不足視点を養うことができる。
そのために何をどのようにすれば
世界に影響を与えることができるか?を考えるのが
イノベーションの訓練になる。

不足させるイノベーションもある。
充足したものから不足をわざと作る。

日光東照宮の柱は1本逆さまに立てられている。
これは、完全なものは後は落ちるだけ、ということを
避けて上り調子を守るために造られたと言われているが

イノベーションにとって大事なことは
明らかな不具合を組み込んだことによって
この不具合とストーリーが人々の口の端に上がるようになり
却ってその知名度や意味を広めることに役立っていることにある。

これまで、建築物の部分の不具合によって
そういったプロモーションが成立しなかったところに
イノベーションを生み出したといえる。

現代、近代ではもちろんあり得ることだが
古代中国でも、戦争をする前に相手の国の物資を買い占めて高騰させ
経済的に攻撃を仕掛けて戦争に不利な状態を導き
改めて武力介入していくという方法が取られていた。

これまでの武力の争いによる戦争から
経済戦争というイノベーションが起こった。
戦争のあり方、つまり世界が変わった。

不足の陰にイノベーション(のヒント)がある。
イノベーターは不足を上手く扱える技術が必要で
現実の不足は知恵によってイノベーションされなければならない。

そもそも、
生の食材を食べることで体に深刻なダメージを被ることに対して
火を使って調理するという考え方が生まれた。
人が生きるために不足をイノベーションするのは必須で
人間らしい行為行動だと思っていい。

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