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サービスの変化に対応する

サービスに変化が求められるとき

サービスはコンセプトに沿って生まれ、ハード、基本サービス、しくみ、接客の4
つのプロセスによって作られ活動する。
その活動をブランドと展開によって強化し、継続させる。

人にたとえれば、健全な食事、適切な睡眠、定期的な排泄、適度の運動などによって健康を促進し維持する。
ところが、これらの健康的な生活を行っていてもある日突然何かの病気やストレスに侵されることがあるように、サービスを適切に行っていてもある日サービスそのものが機能しなくなる事態が起こることがある。

このような事態になったとき、サービス提供者は速やかに原因を見出し、3つの対応の適切な処置を行い、または組み合わせを判別し、あるいは全ての対策を行わなくてはならない。
3つの対策には、環境適応、プロセスの対策、ブランドの対策がある。

環境適応は、サービスが通用しない原因が内的ではなく、外的要因にある。
社会における技術の変化、文化の変化、嗜好の変化、人口構造の変化(組み合わせの場合もある)のどれによって現在の事態に陥っているのかを知り、それぞれの環境に適した対応を行う。
ほとんどの場合長期の対応を迫られ、サービス提供の意味を変化させる
こうしてサービスは一度再定義される。

長期的な社会の変化と動向を見分けることは専門家でも難しい。
5年先を読むことはほとんど無理である。
完璧な答えに行き着くことはさらに不可能だ。
しかし環境の変化によってサービスが機能しなくなったときに、将来を見据えて行動を起こさなければサービスは死んでしまう。

環境の変化を見分けるための正しい答えは存在しない。
将来を正確に測ることはできない。
しかし正しい指針正しい質問を行うことはできる。

幸い環境の変化は長い時間をかけて行われる。
時間をかけて正しい指針と質問を見出し、修正しながら環境に適応していくことでサービスは死を免れる。
しかしそれでも、サービスの再定義を避けることはできない。

正しい指針と質問は、サービスは社会の流れに沿って変化を求められるため「社会の動向がどの方向に動いているのかを見極めなくてはならない」という前提からスタートする。
そしてサービスの変化は、それを提供する「意味」が変化するということ。
商品やプロセスの変化ではないということを知っておかなくてはならない。

再定義前後で仮に同じサービスを提供していたとしても、これまでとこれからでは提供する「意味」が変化する。
この再定義される意味を正しく見出す必要がある。
これが環境適応のポイントになる。

社会の流れが変化し、これまでのサービス提供の意味を再定義させなければならない。
サービスの変化は、これまでのサービスを再定義することからスタートする。

プロセスの対策は内的要因に原因がある。
環境適応のように外の世界に変化の原因があるのではなく、問題は内側にある。

プロセスの対策は、しくみと接客を改善し、改善そのものを常態化する
具体策としては、ブランド構築と展開の不備を正す

両者は環境適応の場合に比べ、短期間で対応を迫られる。
サービスが崩壊する時間も、再生する時間もより短い。
提供するサービスの「意味」は変化せず、サービス提供のプロセスだけを見直す
多くの場合、再定義を行わずにサービスを再生させる。

しくみの改善は、サービス提供の導線が機能しないことで適切にサービスが提供されないとき、早急に行う必要がある。接客も同様である。

たとえば、お客の待ち時間への配慮が充分でないために、お客がサービス提供前に利用をやめてしまう場合や、接客者各個人の言葉遣いの差によって最終的に提供されるサービスにムラや差が出る場合などのケースがある。

これらの短期的なしくみの改善は、コンセプトに沿って最も上手く機能する実行動を見直す。
たとえば、各プロセスを時系列単位で分け不必要なものを省いてから再構築する方法や、プロセス検証チームを組むなど、1からしくみ構築をやり直す方法などがあるが、提供するサービス内容によって必要な方法は同じではない。
それぞれのサービスに適した方法を行うことが求められる。

このようして適切なプロセスが決定されたらマニュアル化する
マニュアル化が完了すると、とりあえず1度目のしくみ・接客の改善は完了する。次はこの改善のプロセスそのものをマニュアル化し、半年〜1年に1度のペースで定期見直しを行い、改善そのものをしくみ化する

短期的な、プロセス上の問題のほとんどはこの方法で解決する。

ブランドの対策は内的要因と外的要因の不一致に原因がある。
つまり、コンセプト反映という内的要因と、お客理解という外的要因が一致しないことによる。

ブランドの対策は、4つの問題に対する取り組みを行う。

ひとつ目はコンセプト反映の手抜き対策。
ふたつ目は上位・下位ブランドの構築対策。
みっつ目は新しいサービス取り入れに対する対策。
最後はメディア戦略の不備に対する対策である。

コンセプト反映の手抜き対策というのは、サービスの展開時にハードと基本サービスの提供がおろそかになることによってブランドが崩れることをいう。
ブランドが崩れた結果、サービスが支持されなくなる。
チェーン展開を行うラーメン店などで起こる、味などの不統一がある。

上位・下位ブランドの構築対策とは、別ブランドを同じサービスの中で立ち上げたとき、別ブランドの影響によって本ブランドの利用者理解が崩壊することを指す。

サービスの取り入れに対する対策も同様に、他の新しいサービスを既存サービスに取り入れることで、却って現存ブランドが崩れてしまうことをいう。

メディア戦略の不備に対する対策とは、メディア露出の回数、媒体、戦略などの不備に原因がある。
ブランドイメージを広げ強めるはずのマーケティングが、実際のコンセプト(サービス)とはかけ離れた、誤ったイメージを発信することによる悪影響の対策である。
誤ったイメージの内容、発信手段、伝達方法の見直しと改善によって、お客理解の不一致を解消しブランドの崩壊を防ぐ。

サービスが上手く機能しなくなる3つのケース(環境適応、プロセス対策、ブランド対策)の原因と、対策の前に、このような場合に行ってはならない対策を先に見ておこう。

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