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特別なお客になる技術

サービスに手を差し伸べるウラ技

サービスを一緒に作るということは接客者にとって非常にありがたい。
良質なお客であることが約束されているからだ。

それはお客にとっても実益を生み出す。
特別客になることができ、そのために特典を受けることができるかもしれないし、純粋に感謝されていい気分になることができるかもしれない。
このことを、サービスにではなく接客者個人をターゲットにして行うウラ技もある。

サービスを一緒に作るのではなく、接客者個人の悩みを解決し、上手く接客を行ってくれるような質問を行うことである。
順番に見てみよう。

接客者個人の悩みというのは尽きない。
忙しければ忙しいなりの悩みがあり、暇であれば暇であることの悩みがある。
クレームが悩みの種になっていることもあれば、思い通りの接客ができないことに不満があるかもしれない。

接客者の抱える悩みの中で、特にお客に聞けばすぐに解決するのに、サービス提供者である以上お客に聞くことはできない物事というものがある。

たとえば接客者は接客の方法を試行錯誤する。
特に上手く行かなかったことがあると、より良くできるようになるために対応を改める。新しいスキルを使ってみたりもする。
しかし、その新しい方法は効果があるのかどうか、いまひとつよくわからないという場合、それを指摘し感想を言ってあげることで接客者のお客に対する信用が高まる。

あるいは、これまで正しいと信じてきた方法がクレームなどによって崩れたとき、何を信じていいのかわからなくなることがある。
そのような悩みを抱えているときは、これまでの方法でいい場合と、違う方法がいい場合があることを伝えれば悩みは解消される。
そしてお客として信頼してくれるようになる。

ベテランや優秀な接客者は悩みを抱えていないことが多い。
大概の問題を解決できる力もあり、悩みへのアドバイスを求めていないことがある。
そのようなときには、これからの課題を聞くようにしたい。
何を目標としているのか、どのように卓越しようと心がけているのかに耳を傾けるだけで効果がある。

これは秘密を共有する共犯の心理と呼ばれるものに近く、相手からすれば理解してもらっているとまでは考えなくても「理解しようとはしてくれている」という認知を生むことになる。
まして、何か適切な手助けができるのであれば、この関係はさらに深まる。

サービスではなく、接客者個人の気持ちをつかむこの方法は、下手をするとサービスをダメにする可能性もある。
見た目明らかな贔屓は、サービスの格差を生み、次第に他のお客の心に損であるという気分を生み出す。

あるいは、サービス提供者が接客者とお客の密接な関係を好ましく思わないこともある。
悪くすると接客者とそのお客の実益がサービスを犠牲にして得られるものである、というような場合もある。
このような残念な結果は、結局のところサービスから得られる効用を台無しにするので、接客者個人をターゲットにして手を差し伸べる場合も、自分の利益のためにサービスをダメにしてしまうような行動は慎むようにしたい。

サービスは私たちの考え方、捉え方、作り方でいくらでもすばらしいものにすることができる。
そうすることで得をすることもあり、いい気分になることもある。
相手を感動させることもあれば、その結果として自分も感激することができるようになる。

私たちは毎日何度もサービスを利用し、それは生活の一部となっている。サービスを受ける技術を上手く利用することで、生活そのものを明るくできるように上手に使いこなしてほしい。

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