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サービスの変化に対応する

サービスを再定義する

技術、文化、嗜好、人口構造の変化によってサービスがうまく機能しなくなると、後戻りはできなくなる。
できることは、これまでのサービスを再定義し、再生することだけになる。

ところが人の心理は、これまで成功してきた方法を何とか継続しようと試みる。
これまでの方法が上手く機能しない場合、自分の努力が足りないことに原因を見つけ出して、過去の成功法則を重ねて実践しようとする。
しかし、残念ながらこの方法ではサービスが生き残ることはできない。

なぜならそれは、前提条件が変わっているからである。
サービスは一度離婚し、再定義によって新しい意味のサービスを生み出さなくてはならなくなる。
それは秋に葉が散り、冬は命を蓄え、春に花を咲かせることと同じような自然現象である。
そして春の花は、見た目は去年の花と変わらないかもしれないが、それは同じ花ではない。

サービスの再定義は、シンプルに行う。
これまで行っていたサービスが上手く機能しなくなったことに気がついたら、秋に葉が色づいて散る準備を始めるように、現在のサービスをやめる準備をはじめる。
環境適応の4つの変化は、どれも変化に長い時間がかかる。
短くても3年はかかる。
だから再定義は最低3年の時間をかけて徐々に行う。
再定義の最初から完了までの時間は、環境適応による変化にかかる時間と同じなので、無理に急ぐ必要はない。

また、再定義と再生は同時進行で行う。
サービスが再定義によって瞬時に変わり、翌日から新しい意味のサービスが提供されるということはない。
再定義という試行錯誤が行われ、新しい意味のサービスは徐々に形作られていく。

サービスの再定義は、サービス提供の「意味」が変化することを指す。
商品や提供するトータルサービスは変化することもあるが、変化しないこともある。
提供物の変化ではなく、サービスを提供する意味を再構築することがサービスの変化であり、再生の一歩になる。

たとえば、電話が普及する前と後で、郵便事業の提供するサービスの意味は異なる。
文化の変化によってもたらされた背広や、技術の変化によってもたらされた馬具の製造も同じである。
郵便事業は通信・連絡手段から、正式な意思表示や礼儀を伴うようにもなった。
より形式的な意味も持つようにもなった。
背広は普段着から仕事着へと変化した。背広の持つ意味は変わった。
馬具はごく一部の層の嗜好品、高級品、または馬を扱う仕事に対しての専門職用としてしか製造、提供されなくなった。

このような変化の前兆があれば、サービスは再定義を準備しなくてはならない。

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