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サービスが個人にもたらす明日

不満足の解消


サービスが個人にもたらす効用は1つしかない。
しかしその1つの効用を土台として、さらに3つのものをもたらす。

サービスは不備を解消する機能として提供される。
しかしその機能は必ず私的に利用される。
お客が私的にサービスを利用するとき、不備の解消という機能は不満足の解消として働く
これが、サービスが個人にもたらす最も基本的な効用である。

レストランは食事を取ることができない不備、何らかの理由で料理を行うことができない不備などを社会的に解消してくれる。
しかし同時に、お客は空腹という不満足を解消し、料理をしたくないという不満足を私的に解消する。

交通機関は移動の不備を解消しながらお客は距離の不便による不満足を解決し、アミューズメントを提供する映画館や遊園地でさえ、退屈という不満足、笑いや感動に飢えた心の不満足、気分転換しなければならない行き詰まりという不満足、恋人同士が共に過ごす時間に悩む不満足を解消してくれる。

サービスが個人にもたらす効用と可能性は、必ず不満足の解消が前提にある。
そしてこの「不満足の解消」は、その他3つの効用をもたらす土台となる。

不満足の解消は、サービスそのものではない
サービスの一部分でもない。
サービス提供によって二次的に起こり得る、ひとつの可能性でしかない。

サービスによってもたらされる実際の提供は画一的である。
その画一的なサービスを提供されることで、利用者がどのように感じるかをサービス提供者はコントロールすることができない。
誰かが喜ぶと考えて作り出したサービスが非難を受けることもあれば、提供者の感覚で生み出したサービスが圧倒的支持を受けることもある。

したがって、サービスの提供によってもたらす効用は、不満足の解消ではなく不備の解消である必要がある。
誰の目にも明らかな不備の解消でなくてはならない。
効果が不備の解消であり、それによって波及するものが不満足の解消である。

たとえばガソリンスタンドは、基本サービスとして車のドライバーにガソリンを提供する。
ガソリンがないという不備を解消することで、その状態に困っているという不満足の解消に効果が波及する。
ガソリンが充分な車とドライバーには、不備と不満足の解消を提供しない。

しかし稀に、不備を解消しても不満足が解消されたとは感じない人もいる。
サービスの個人に対する可能性は100%にはならない。
不備の解消は決めたことを決めたままに提供するので100%実行される。
しかし、それをどう感じるかをコントロールすることはできないので、個人に対するサービスの可能性(不満足の解消)は100%にはならない

したがってサービスの効用は不備の解消を前提にし、不満足の解消を前提にはしない。
不満足の解消は100%にはならないけれども、それでも「個人にもたらす効用」の中では不満足の解消がその他の可能性の土台となる。
だから対象を個人に限定して効用を考える場合は、最もはじめに検討する。

不満足の解消が成立したら、サービスが個人にもたらすの可能性は3つに拡がる。
満足、感動、感謝の3つである。
この3つの可能性は、サービスの提供によって不満足の解消がされてから行われる。
不満足の解消を経ずに、いきなり満足や感動を感じたり、感謝したりすることはない。

つまりサービスが個人にもたらす可能性を考える場合、これらの3つの効用を最初の目的にしてはならない。
必ず不満足の解消というプロセスを経ることで作るようにする。

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