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人を訪ねて三千里

同業他社の先にいるお客へ「アプローチするタイプ」と「コンタクト方法」3/3

共同(間接的な同業他社)は競争(直接的な同業他社)よりも疲弊しない。
しかも二段階営業が可能で、C向けの営業は顧客になりやすい層だというメリットがある。
ただ、共同が向いている事業は「共同しなくてはどうしようもない」という現実を抱えていることもあり、競争が向いている事業はそれだけタフでその世界の営業を成立させる力があるとも考えられる。

この同業他社へのアプローチが向いていない事業もある。
それは一般的な商材を展開する事業の場合と、固定客が動きにくいサービス業界、それから一度利用すれば二度とは利用しないサービスの場合である。
一般的な商材、例えば文房具を扱うアスクルの場合、他の文房具配送業者のお客にわざわざアプローチしない。もちろんカタログを配布した先がたまたま同業他社のお客である可能性はある。しかし、わざわざそこを狙って営業を行いはしない。
なぜなら、ほとんどの法人で文房具の配送は必要であるし、その法人は世間にゴマンとあるからである。既に他社のお客になっているところに営業を行うのなら、単純に新規顧客にアプローチした方が効率もいいし成約率も高い。

固定客が動きにくいサービスというのは、高級商材によく見られる。
実際にベンツに乗る人は継続してベンツを使う傾向にあるし、シャネルを好む人は他のブランドを使わないわけではないがやはりシャネルが最重要だと考える。小さな事業でもサービス提供までのプロセスが多い場合は、他社への営業が成立しにくい。
例えば、自分の歯のことを詳しく知り、自分に合ったアドバイスをしてくれる歯科医の元に通うお客は、なかなか他の歯医者に鞍替えしない。自分の髪をよく知っている美容師なども同じで、新しく別のサービスを受けたときにいちから理解してもらう労力を避けようとするからだ。
つまりは、好評価されているサービスの同業他社へのアプローチは労力だけがかかり失敗する可能性が高いので、やはり向いていないということになる。

一度利用したら二度は利用しないサービスというのは、例えばウエディングプロデュースや婚約指輪などの結婚関係、会社設立の手続きを代行する行政書士などがある。会社も一度設立したら、余程のことがなければ二度は設立しない。
こういうサービスでは「以前結婚したなら、今度はうちでしませんか?」とか「次に会社を作るときはうちで作ってくださいね」という直接的なアプローチは意味を持たない。そもそも需要がないからだ。

ちなみに間接的な同業他社への営業は、事業規模が大きくなればなるほど難しくなる。
一致させなければならない両者の利害が大きくなって、どちらもを満たすのが難しくなるからだ。
責任の所在なども規模が大きくなるのに比例して難しさが増す。
それでも例えば鉄道会社の相互乗り入れ、スターアライアンスなど航空会社の共同、インテルがパソコンメーカーのCPUを提供していることなど、間接的な同業他社への共同が成立すると強力なサービスが生まれる。強力なサービスが生まれるということは、そのサービスを背景に強い営業を行うことができ、成立しやすくなるということである。

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