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特別なお客になる技術

圧倒的な感謝を生み出すウラ技

手紙で感謝の気持ちを送ることは、予想以上にサービス提供者の心を動かすということを書いた。
その前提として、もちろんサービスへの理解や支持は必要だ。
ということは、そのサービスをよく利用していなくては深い理解は得られないし、接客者を良く見ていなければ適切に支持することは難しいということである。

しかし、このような努力をあまり必要としないウラ技がある。
ごく普通にサービスを利用している人であれば、誰でもこの方法を使うことができる。
それは、サービス事業者が何かしらの批判、誹謗中傷、大きな騒ぎになったクレームなどの脅威にさらされているときに感謝の手紙を送ることである。

もう少し正確に言えば、「誰が何と言おうとも私はあなたのサービスに感謝しており、そのおかげで幸せになることができた。不当な圧力に屈せずに頑張ってください。私にできることがあれば協力しますのでおっしゃってください」という意思表示をすることだ。

私があるサービス事業を運営していたとき、1人の女性客がネット上に不満を書きつづったことがあった。
私はそのお客の担当者が優秀であり、かつ夜遅くまで営業時間を越えてお客のニーズを満たすように付き合っていたことを知っていたし、客観的に見てもその不満は感情的で不当だと思った。

そして、このような意見が正しいとは思わないし、担当者がどのようなサービスを行っているかも知っているので、自分たちのサービスを信じて頑張ってほしいと言うようにしたが、それでは自分たちが信じていたお客が直接には言ってくれず、ネット上に不平不満を書き込んだというショックを緩和することができなかった。

サービス上、その不満の内容の中で確かに正しいという部分に対しては、2日間かけて対策と改善を打ち出し、ホームページに事の経過と今後どのようにサービスを提供していくか、改善したことは何かを書き出した。
するとそれを見たある別のお客が手紙を送ってくれた。

その内容は、私たちのサービスと知り合ったことで人生がどんなに豊になったか、ネット上に流れた不満がいかにナンセンスであるかということと共に「私は応援していますので、皆さん頑張ってください」という主旨で締めくくられていた。
私が接客者に伝えた「自分たちのサービスを信じて」という言葉では届かなかったものが、この手紙をもらったことで接客者の心の中に変化を生み出した。
彼らは元通り自信を持って接客するようになった。

その手紙は当時のスタッフ全員にコピーして手渡された。そのお客の名前を知らない人はおらず、そのお客の顔を知りたい、感謝を直接言いたいと思う人だけが増えた。

サービスが窮地にあるときに送るこのような手紙は、サービス提供者に勇気を与える。
何かひとつ悪い噂が立つと(たとえ事実無根であれ)、簡単に不信を抱くお客は少なくはない。
行っていることは何ひとつ変わっていないのに、マスコミで噂された影響で株価が急落するようなものである。

そのようなときに「あなたのことを信じている」と応援してくれる手紙は、サービス提供者に勇気と感動を呼び起こす。
そしてあなたを、一足飛びに特別客へと導く。

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