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接客の本質

接客者の仕事は何か?

接客の仕事には、サービスに関わるもの、マーケティングに関わるもの、接客そのものに関わるものの3つの分野に8つの仕事がある。

サービスに関わるもの

サービスでの接客の仕事は3つある。

サービスを提供する、またはトータルサービスの一部としてサービス提供の機能を果たす。
サービスを提供するというのは、接客者がそのままサービスを提供することを指す。
弁護士、医者、カウンセラー、プロスポーツ選手、オーケストラ、引越し、美容師などは接客者の提供するものイコールサービスになる。
これがサービス提供である。

トータルサービスの一部というのは、例えば遊園地や映画館の入場管理と案内、飲食店でのオーダーと清算、鉄道の改札員や窓口、航空のスチュワーデスなどのことを指す。
サービスはそれぞれ娯楽施設、料理、電車、飛行機によって提供され、接客はその提供をスムーズにしたり、誘導するために存在する。
どちらもサービスでの接客の仕事である。

しくみを作るという作業。
接客は現場で行われる。
現場の経験と実績を事業のしくみとしてルール化することが接客に求められる。
それは接客の仕事を効率的にし、効果的にし、有用にしてくれる。

問題(クレーム)を処理することでサービス提供を継続させる。
サービスは約束した提供を提供できなくなるときに、サービスの意義が失われる。
サービスは問題が起こっても提供され続けなければならない。
トラブル、クレームに対処し、時間を回復し提供の状態を守ることがサービスでの接客の仕事である。

マーケティングに関わるもの

マーケティングに関わる接客の仕事は2つある。

まず、接客はプレゼンテーションや説明などを含む販売を行う場合がある。
いわゆるセールスである。
宝石や車、保険などの(高額または実態の見えにくい)商品を扱う接客者は、サービス提供以前にお客の不安を解消することを求められる。
不安を解消したら、ニーズに合致するものを提案することを求められる。その結果が販売となる。

次にお客の声に耳を傾ける、という仕事がある。
お客は何を望み、何を拒絶し、何に対して不便を感じ、何に気がついていないことが多く、お客の好みは何で、どのようなことを欲しているのか。

アンケート調査を行うかもしれないし、接客の現場で耳を傾けるかもしれない。
あるいはお客フォローの電話でしくみ化されているかもしれない。
いずれにしても、お客の声に耳を傾け、お客の望むところが何であるかをマーケティングに生かすよう情報を集める。

接客に関わる仕事

接客者として接客を行う場合の仕事は3つある。

接客は人に関わる仕事であるので、まず、相手を不快にさせないようにする責任がある。
満足や喜びを感じてもらうようにする必要はあるが、それ自体は顧客に個人差があるので目的にはならない。
接客の仕事としての目的は不満足を呼び起こさないことにある。

なぜなら不満足にさせてしまうと、サービスの仕事もマーケティングの仕事も拒否されるからである。
不満足を呼び起こさない役割は、仕事の前提になる。
これが接客の第1の仕事である。

第2の仕事は、問題を抱えている人に対応することにある。
サービス提供では問題は必ず起こる。
起こさないように工夫することも重要だが、起こった問題を解決することが接客の役割になる。
サービス提供では問題を「対処」し、サービスを取り戻すことを成果とする。
しかし、接客では問題を抱えている人の解消と解決が目的になる。問題は対処されるのではなく、「対応」することが接客の仕事になる。

問題は物理的なものである場合と、心理的なものがある。
この両方に対して適切に対応し、解消・解決することができるとき、接客の仕事を果たしたということができる。

3つ目には、ブランドを構築する仕事がある。
ブランドというのは、「サービスコンセプトの反映」「お客理解」が一致することをいう。
サービスを提供しコンセプトを伝えるだけではブランドは作られず、お客の誤った理解ではブランドは作られない。
必ずサービスコンセプトの反映と、お客理解が「一致」しなくてはならない。

よって接客の仕事はサービス提供時に、コンセプトを反映してサービスを提供し、機会があればそれを正しく伝え、理解を促すことでブランドを促進することにある。

すでに理解があるお客には、まだ伝えていないコンセプトを伝え、さらに理解を促すことが必要とされる。
コンセプトをどのようにサービスに反映するかは無限の方法があり、その反映やこだわりを正しく知ってもらうことでブランドは作られる。
接客者は相手の知りたい欲求と、こちらが伝えるべき話をバランスし、適切にブランドを促進する。

いずれの仕事も、事業の特性や商品、サービスコンセプトによって比重は変わる。
しかし、接客の仕事はこの8つに分類され、それ以上になることもなければ、それ以下になることもない。

つまり感覚的に、あるいは社内文化的に「接客とは売ることだ」とか「接客とはホスピタリティだ」などとしている接客教育者は、実際に行うべき仕事として8つの特性を再確認し、自社の仕事と事業の発展に何をどれだけ求められているかを再検討する必要がある。

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