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ブランドの対策

新しいサービスの取り入れ対策

上位・下位ブランドを構築するほど大げさではなく、大げさでない代わりにサービス提供者がよく企画し、実行するのが、提供するサービスを増やすことである。
つまり新しいサービスを生み出し、提供することである。

このときにブランド力が低下し、サービスが上手く機能しなくなるのは2つの視点がある。

ひとつは、新しく生み出したサービスがコンセプトに適っていないか、既にあるブランドに適っていないケース。
もうひとつは、提供するサービスの数を増やす行為自体が、これまで守られてきたブランドを脅かす場合である。

コンセプト、現存ブランドに適わないサービス

コンセプトに適わないサービスはわかりやすい。
コーヒーの専門店で紅茶、ジュース、ソフトドリンク、アルコールなどを新しくラインナップするという場合に、起こり得る。
特に個別コンセプトが「こだわりのコーヒー」であると、ブランドに与える影響が大きくなる。

現存ブランドに適わないサービスというのは、お客理解を混乱させたり、裏切ったりするサービスを提供しはじめることである。
ブランドは提供者のコンセプトと、お客理解の一致した部分である。
サービス提供者がコンセプトに沿った新しいサービスを提供しても、その正しいサービスが利用者の理解を混乱させ、裏切ることがある。

たとえば、マンツーマンのプライベートレッスンに特化した英会話スクールがあるとする。
このような英会話スクールでは英会話を教えることが基本コンセプト、マンツーマンであることが個別コンセプトになる。
提供者には基本コンセプトを様々な形で社会に生み出し、「もっと社会に英会話を浸透させたい」という個別コンセプトが別にあるとする。
そしてマンツーマンが成功したことで、グループレッスンの英会話スクールを展開する計画を立てたとする。

この行為は、サービス事業者にとっては個別コンセプトに沿った一貫性のあるサービス提供の態度であり、社会貢献でもあるけれども、お客理解によるブランドが「マンツーマン」であると、ブランド力は新サービスによって低下しはじめ、元のサービスが上手く機能しなくなりはじめる。

これが現存ブランドに適わないサービスである。

提供するサービスの数

それぞれのコンセプトの、それぞれのサービスには、提供するべき適切なサービスの数がある。
この数を上回るか、極端に下回るとブランド力が低下することでサービスが上手く機能しなくなる。

たとえばここに、バーとコーヒーショップがあるとする。
一般的に考えて、バーに用意されているお酒の種類と量は、コーヒーショップで用意されているコーヒー豆の種類よりも多い。
また、バーで提供されるお酒はカクテルなどを含めると、コーヒーショップで提供されるコーヒーのメニューよりも多い。

コーヒーショップがバーからヒントを得て、メニューのラインナップを増やし、カクテルの発想で様々なブレンドのコーヒーを提供しはじめるとサービスが上手く機能しなくなる。

私たちが正確に理解しているユニクロのブランドのひとつに、カラフルなフリースという個別コンセプトがある。
冬にユニクロでフリースを購入しようと思い立ったとき、せっかく足を運んだのにもかかわらず、カラーバリエーションが3種類しかなければ大きな失望感を覚える。

夢の国であるディズニーランドは、大人にも子供にも夢を与える。
「夢の国」はコンセプトでもあり、お客の理解でもある。
その夢の国が、札幌、名古屋、大阪、福岡にも展開したとすれば、私たちは夢の価値が下がったような気分になる。
これら全てが適切ではない数(量)によるブランドへの悪影響である。

提供されるサービスの「量」に対するお客の理解は、「質」に対する理解――こだわりのコーヒー、低価格で種類の豊富なフリース、夢の国など――よりもあやふやで、通常はそれぞれのイメージに幅がある。
しかし、そのあいまいな幅の上限を超える(下限を下回る)とブランドが崩壊しはじめ、サービスが上手く機能しなくなってしまう。

サービス量が、提供するべき適切な量の上限を上回っているとしたら、提供を中止するか、別ブランドとして提供し続けるかの選択をする。

実際には提供を中止する方が現実的である。
ブランドに対しての適切な量を上回っているという時点で、そのサービスはサービス提供の足かせであり、重荷になっていることを証明している。
そのようなサービスは順序だてて撤退する方が現実的である。

それでも収益性が高いなどの商売上の理由や、個別コンセプトを実現したいなどの理由によって存続させる場合は、別ブランドとして再構築する。
少なくとも、ダイエーとローソン、トヨタとレクサスのようにかけ離れたブランドで展開し、同一のサービスであると認められない状態を作る必要がある。

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