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コラムを読む

親について

母親の愛をたっぷり受けても、うまくいかない


今日は
母親の愛について。

子供の成長に母親の愛は欠かせないとされています。
それをもう少し正しく
一緒に考えてみましょう。


例えば、
母乳で育った子と
哺乳瓶で育った子の
差はあるとされています。

3歳まで母親と一緒に過ごした子と
1歳から保育園に預けられた子とでは
情緒に差が出るとされています。

おおむね
正しい考え方です。

しかし
注意してほしいのは、
これらの考え方は
きっとそうだろうという前提で
調査されているということです。

実際問題、
哺乳瓶で育った子と
保育園で育った子で
うまく育った子の研究はほとんどされていません。

もちろん
誰でもわかるように
「哺乳瓶と保育園で育つとダメな人間になる」
なんてことは全くありません。

ということは、

母親の愛情たっぷりだと良い子に育ち、
そうでない子は悪い子になる

などということは全くの誤解です。


たとえば
ある本にこんなことが書いてあるそうです。

励ましてあげれば、 子どもは自信を持つようになる
広い心で接すれば、 キレる子どもにはならない
誉めてあげれば、  子どもは、明るい子に育つ
愛してあげれば、  子どもは、人を愛することを学ぶ

認めてあげれば、  子どもは、自分が好きになる
見つめてあげれば、 子どもは、頑張り屋になる
分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ
親が正直であれば、 子どもは、正直であることの大切さを知る

子どもに公平であれば、 子どもは、正義感のある子に育つ
やさしく、思いやりをもって育てれば、 子どもは、やさしい子に育つ
守ってあげれば、  子どもは、強い子に育つ
和気あいあいとした家庭で育てば、
子どもは、この世の中はいいところだと思えるようになる

まあ僕も、
完全にこれがウソだとはいいません。
ただ
おめでたい考え方だなぁと思うわけです。

なぜなら
こうやった育てられた子が
大人になって、
自分中心で人の気持ちを考えない
人間になってしまったケースを知っているからです。


そのお母さんに直接会ったことはありません。
間接的に話しを聞いたことがあるだけです。

しかし、
その話の中から
なかなか愛情深いいいお母さんだな
ということが読み取れました。

愛を注いで育てたんだな
ということがわかりました。

しかし
その子は大人になって自分中心人間になってしまいました。
もう少し正確に言うと、
その人のことを本当に思ってくれる人を遠ざけ、
おべっかを使う人だけを好む
お山の大将になってしまいました。

それから、
人の気持ちよりもお金を優先する人になってしまいました。

残念!

励ましてあげれば 自意識過剰になり
広い心で接すれば うぬぼれる

以下、同じような感じ・・・

というタイプの子だったわけです。
もしくは、
お母さんが愛情だけで育てたのでしょう。


素晴らしいお母さんに当たっても
子供はちゃんと成長するとは限りません。

これは
冷静に考えれば誰でもわかることです。

愛情のあるお母さんでいい子に育つ
愛情のあるお母さんでダメな子に育つ

愛情のないお母さんでいい子に育つ
愛情のないお母さんでダメな子に育つ

現実に
この4つの考え方があります。

または

愛情があっても子育ての正しい知識がないと
子供は正しく育たない

正しい知識を持っていても
使うタイミングを間違えるとうまく行かない

それらを全てうまく使いこなせても
子供に受け取る準備がなければうまく行かない
ということは
実際にあるのです。

だから、
とりあえず
ダメ親を持つ子や、孤児の子は
「愛情のある母親が~~」というような声に
傷ついたり、ショックを受けたり、クソーと
思わなくていい
のです。
ダメなヤツは結局ダメに育ちます。


別の考え方もあります。
こう考えてみてください。

明治時代、大正時代、昭和初期。
子供は母親の愛情を受けて育ったでしょうか?

江戸時代、子供は母親の愛情を受けて育ったでしょうか?

第一次大戦から第二次大戦までのヨーロッパで
子供は愛情を受けて育ったでしょうか?

歴史上に名を残す人物は母親の愛情を受けて育ったでしょうか?

これらの答えは
調べればすぐにわかります。
NOです。

明治、大正、昭和。
どの家庭も日々を生きるのに大変で
かつ子沢山で
ただ懸命に生きていました。

江戸時代も同様。
その証拠に、江戸から昭和に至るまで
子育てに愛情が必要などという
本が出版されていません。
そもそもそういう概念がありませんでした。

近代に入ってからのヨーロッパでは
子育てはメイドの仕事でした。
それだけです。
それ以上でも以下でもありません。
当然、母親とのスキンシップは
現代よりもはるかに少ないものでした。

それから
たとえばレオナルド・ダ・ヴィンチは
妾の子とされていて、
若くからフィレンツェに出ています。
母親との愛情話は全く残っていません。
そういった有名人はたくさんいます。


要は
人間がどう育つのかに、
母親の愛情は
一般的に言われているほどの効果はないのです。

世の中の母親の皆さんは
過信してほしくないと思います。

そして
世の中の虐待されている子供や、孤児は
自分の境遇と性格を
親のせいにしてはいけないということです。

もし
自分はどうしようもない性格だなと思うのであれば
それは
愛情のある親がいても、
その性格になっているんです。


しかし。
だからといって
愛情を否定しているわけではありません。

母親に限らず、
教師と孤児院の先生にも同じことが言えます。

大切なことは
愛情と共に正しい行動を行うことです。

たとえば
愛情を注ぎ、認めてあげると共に
事の善悪を厳しく教えることも必要です。

目に見えない愛情ではなく、
目に見える愛情の表現(抱きしめるとか、褒めるとか)でもなく、
目に見える正しい行動を行うことが必要です。

だから
たとえ母親がいなくても
正しい行動を行う孤児院で育った子は
必ず素晴らしい大人になります。

たとえ虐待する親でも
自分で考えて正しい行動を取る子は
生きる意味を見出す大人になります。


孟母三遷の教え、というものがあります。

儒教で有名な孟子のお母さんが
孟子が生まれたときに
子供を育てる環境がよくないと考えて
引越しをしました。
たしか、商売の盛んな土地だったので、
利益だけに聡い子供にしてはいけないと
考えたのです。

ところが引っ越した先が
ヤクザ者の多い土地だったので
力に頼る子供にしてはいけないと思い
またすぐに引っ越しました。

その次の土地にも何か問題があり、
孟子のお母さんは3度目の引越しをします。

そして最後に落ち着いた。
そういう話です。
3度引っ越したので三遷です。

孟子のお母さんには
愛情があることがわかります。
しかし、
愛情だけでないこともわかります。

必要なのは
正しい行動であって
行動の伴わない愛情はただの無責任です。

孟子のお母さんが引っ越さずに
たっぷりの愛情を注いで育てたとしても
孟子は現代に名の残るような偉人には
きっとなっていなかったでしょう。


最後にもう一度いいます。
必要なのは正しい行動です。
親の正しい行動ではありません。
あなたの正しい行動です。

岡崎にある産婦人科、吉村医院の先生は
落とせば割れる茶碗を使いなさい、といいます。
プラスチックをつかうな!と。

割れれば子供は怪我をします。
その茶碗がお気に入りであれば泣くでしょう。
しかし、
そうやってこそ危険を感じる力や
物を大切にする気持ちが芽生えるのです。

それが正しい行動です。
ケガをさせたくない。悲しい気持ちにさせたくない。
それは愛情(だけ)です。

ハッキリ言えるのは
愛情(だけ)では
犬も食わないということです。

どんなに効き目のある薬も
使い方を間違えれば毒だということです。


もし
周りに正しい行動を行うことのできる大人がいないとしたら、
自分でそれを考えて実践するしかありません。
それは大変な道ですが
しょうがないです。いないんだから。

それでも
本や漫画を読んだり、テレビや映画を見たり、
外の世界の現実に触れることで
ヒントをつかむことはできます。

正しい行動は何か?を考えるのをやめて
愛情さえあれば問題は解決するのに!と考えてしまったとき、
そのときが
あなたの将来にさよならをするときです。
残念な瞬間なのです。

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