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サービスの変化に対応する

行ってはならない3つの対策

サービスが上手く機能しない場合にやってはいけないことが3つある。

1.改善しようとしてはならない。
2.発展させようとしてはならない。
3.問題を解消しようとしてはならない。

これら3つの行動は、商売上は実践されることである一定の効果を出すことも少なくない。
それだけに、問題に対応する方法としては正しい方法だと信じられているが、サービスではうまくいかない。
むしろ弊害となってしまう。

行ってはならない対策「1.改善しないこと」

サービスはその性格上、サービス自体を改善することはできない。

サービスは最初の構築が完璧であればあるほど、一度それを提供すると決定したら提供し続けなくてはならない。
そうでなければ、初期のサービスと2年後のサービス、5年後のサービスで提供する内容が変わってしまう。
違うものを提供するということは、もはや同じサービスを提供しているのではないという意味になる。
同じ約束の下に違うサービスを提供しているということになってしまう。

ひとつのサービスが年を経るごとに良くなり続けるのであれば、そのサービスを先に利用した人は、後に利用した人よりも悪いサービスを受けたことになる。
サービスを先に受けることは不利である、ということになってしまう。
サービス提供者にとっても、提供すると決めたサービスを提供していないという意味で、サービスの約束を守っていないということになる。

もしサービスが改善されながら、同時に提供すると決めたサービスの約束を守るのであれば、改善部分を過去の利用者全員に再提供し直さなくてはならない。
そうでもしなければサービスの公平性を保つことができない。
しかしほとんどの場合、それは物理的に不可能である。

改善された新しいサービスを値上げすることで、違う商品として提供することは、正しい理由付けとして商売上よく行われる。
しかし値段がどうであれ、サービスで提供すると決められた約束が果たされていないことに変わりはない。

改善することによって、過去に提供したサービスの地位を落としてしまってはいけない。
ただし、サービスプロセスの改善は行うことができる
しくみと接客を改善し、プロセスの改善に取り組むことで、提供すると決めたサービスをより速やかに、より確実に提供することは可能である。

行ってはならない対策「2.発展させないこと」

サービスが上手く機能しない場合に、その変化をチャンスと捉えて発展させてはならない。

サービスは、必ず画一的で統一的だと決まっている。
場面場面で異なるもの、提供者によって異なるものなどは、サービスとはならない。
環境の変化など、外的要因によってサービスを発展させてはいけない。
サービスは発展しないが、展開はすることはできる。

理由なく偶然展開することはあるし、戦略的に展開することもある。
サービスは、それを必要としている人の数によって展開することは充分に可能である。
ティッピング・ポイント(臨界点)を超えた口コミなどは偶然展開することがある。
サービスの定義は変わらずに、受け手側(利用者)の解釈が変わることで展開することもある。

これに目をつけて、展開を戦略に組み込むことは誤りではない。
正しい展開によって、サービスの危機を乗り切ることができる。
しかしサービスそのものを発展させようとしてはならない。
改善と同じく、発展によって提供するサービスに差を生み出してはならない。
より良くなってはならない。
サービスは、それが提供されるはじめから完璧な状態で提供されなくてはならない。

行ってはならない対策「3.問題を解消しないこと」

問題の解消からサービスを再構築したり、再生したりしてはならない。
特に、サービス利用者の声を取り入れることで問題を解決し反映しない。

サービスを作るとき、不具合が生じることが予想できたにしても、できなかったにしても、サービスそのものを問題視してそれを解決してはならない。
サービスに問題があるという前提に立った問題解決は、次に提供するサービスが、元のサービスと同じではあり得ないことになってしまう。
これでは元のサービスに満足していた人に失望感だけを生んでしまう。

実際サービスが問題視される場合の多くは、マーケティングの不備やセールスの未熟さによるクレームの発生など、直接原因がサービスにないこともある。
マーケティングされたサービスではないために、セールスや接客で無理をしたとき、サービスがしていない約束をしてしまうことがある。

このようなとき、サービスを問題視すること自体が一番の問題になる。
サービスを問題視することで解決を試み、改善し、発展させようとする行為が問題になる。

サービスは「個性」であり、利用者はその「効用」でサービスを利用する。
利用者の声の多くは、効用が合わないことによる不満の声であって、そもそも効用が合っていない人の感情や気分を問題視することで、その問題を解決しようとしてはいけない。
そうしてしまうのは「効用」が合うお客に対する裏切りになる。
「効用」が合わない場合は、事業としてマーケティングとセールスを、サービスとしてしくみと接客によって対応することで問題を解消する。

公平に見て、万が一基本サービスやトータルサービスに問題があるという場合であっても、問題そのものを解決しようとしてはならない。
基本サービスに問題や欠陥がある場合、問題を解消し欠陥を埋めることではサービス全体の問題は解決しない。
その方法ではお客の信用を取り戻すことはできない。
このような場合は環境適応の場合同様、サービス再定義し、新しい約束をお客に行うことで再生してから出直しを図るしか道はない。

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