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営業とマーケティングの違い

販売促進は営業とマーケティングの両方にある

営業にもマーケティングにも関わるので、判断が難しいのが販売促進である。
ここではサンプル配布(無料提供)と宣伝広告を取り上げてみたい。

販売促進は文字通り販売をうまく行うための施策である。
販売というのは「お客がお金を払い、企業がサービスを提供する」 ことだから、これだけを切り取って「それはマーケティングだ」とか「それは営業だ」と決めることはできない。マーケティングは結果的に「買ってもらう」ことを含むし、営業はプロセス上で「売る」ことを含むからだ。

商品であれば無料化粧品などの、サービスであれば無料小冊子などを配布することがある。これは間違いなく販売促進戦略の一環だと考えていい。
しかしその目的は企業のねらいによって変わる。

無料の商品を配ることで次の誘導の商品を買いやすくする目的があるのなら、それは「利用してもらうためにどうすればいいか」の答えだから、営業になる。
反対に無料の商品を配ることで感想やサンプルデータの数字を取って分析したり、その後商品を買ってくれる人がどのくらいいるかを観察することで商品そのものの支持を測定し、改善するのならこれはマーケティングになる。「お客の声に応えるためにはどうすればいいか」の答えになっている。

そしてもちろん、「利用してもらうためにどうすればいいか」と「お客の声に応えるためにどうすればいいか」の両方に答えて無料サンプルを配布することもある。

宣伝広告も同じである。
宣伝広告の場合だと、「営業目的」という考え方の方がわかりやすいかもしれない。宣伝をすること、広告を打つことで利用者を増やすという目的があるのなら(ほとんどの場合ある)、それは「利用してもらうためにどうすればいいか」のための答えなので営業である。

ただし、広告の内容によってはマーケティングになったり、マーケティングを含んだりすることもある。

例えば高級車がモデルチェンジするとき、街の販売店や繁華街に大きな広告が出ることがある。その広告には問合せ先も価格も書いていない。スマートな車のイメージと、それをさらに印象付ける(販売とは何の関係もない)コピーだけが印刷されている。例えば「次世代へようこそ」などのコピーが書かれている。

この広告は、富裕層の感覚に訴えているのかもしれない。そのねらいがあるなら、この広告は営業目的ということになる。
しかしこうも考えられる。
現在同じ車種(のこれまでの型)に乗っているユーザーに向けて、「もうそろそろ飽きが生まれたり、十分満喫した気持ちになっていませんか?もしそうなら、新しい車種も出ましたから必要ならお声掛けくださいね」 という問いかけの役割である。

そろそろ今の車にも飽きて、何かそういうことでお話をしたいのならぜひ聞かせてください。相談に乗りますよ、ということを促す目的の広告であることがある。これは「お客の声に答えるためにはどうすればいいか」の答えで、それを促す手段なのでマーケティング目的になる。
そして実際にお客が現在の車に飽きているのなら、購買を目的にディーラーに足を向けるかもしれない。話をしに行くのかもしれない。けれども、実際に買う車はその広告の車ではない可能性もある。なぜなら「お客の声に耳を傾けること」が目的になっているので、彼らのニーズに合わせて車を提案すればいいからだ。広告で表示した車を売る必要はどこにもない。

または意見は言わないが、企業の意図を汲んで直接新車を買うこともある。宣伝広告により購買意欲を促進されたから買うのではなく、宣伝広告によって自分の中にあるお客の声に気がついたから、自分の声を満たすために買うのである。ディーラーに相談しなかった(声を投げかけなかった)のは結果論でしかない。
少し難しいかもしれないが、こういったことがマーケティングである。

そして無料サンプルの場合と同じように、宣伝広告も営業とマーケティングを兼ねることがある。

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