Esmose

コラムを読む

マーケティングの勘違い

ウーロン茶と麦茶の違い?

マーケティングはお客が主体になる。
これに対して、販売促進は事業が主体である。
だからマーケティングは買ってもらい、
販売促進は売る。
具体的に何が違うのだろうか。

マーケティングはお客が買ってくれるように、買いやすいように働きかけをする。

そのためにはお客の声に耳を傾け、お客たちを見るということをしなければならない。
お客のことを知らなければ、お客が進んで買ってくれるように何かを作ることができないからだ。

お客のことを良く知ることができたら、彼らの求めるものを満たす。だから「買ってもらえる」。

販売促進は自分たちが売るのだから、自分たちの売り物をお客に届ける活動を行う。
知らない人に知ってもらい、ニーズを心の奥底から引き出し、保障を示し、メリットを説明して安心してもらう。
そのような行為が必要になるのは、元々が事業中心だからで、売りたいものを売らなければならなくなるからである。
だから「売る」。

両者は似ていて異なる。

烏龍茶と麦茶の製法が違うように、マーケティングと販売促進も行いの根本的なところが異なる。

マーケティングは石油発掘である。
石油を発掘しようと思ったら、候補地をよくよく検討し、いざ掘るとなる前に石油が埋まっているという根拠を固める。
だから時間がかかる。
明日の収益は発生しない反面、一度掘り当てると継続的に収益が発生する。

販売促進は砂金を掬うことである。
砂金がどこに眠っているかは、それを掘り当てた人やその人に群がる人についていけば場所はわかる。
そして毎日砂を掬い、何百分の一か何千分の一の確率で金を手にすることができる。
毎日収益を上げることができる反面、毎日努力しなければ結果が出なくなってしまう。
砂金を掬う画期的な方法や効率的なやり方を発見しても、基本的に砂金を掬うということに変わりはない。

しかしマーケティングには販売も含まれるはずだ、という考え方

マーケティング活動と、販売促進活動は、似ているところがある。

たとえば、宣伝広告はどちらの活動でも行われる。
たとえば、ある自動車メーカーが新車を宣伝したとして、それがマーケティング活動なのか、販売促進活動なのかを判別することは難しい。
また、必ずどちらか一方の要素だけというわけでもない。

しかし、スタンスは私たちも見極めることができる。
新車の情報が、必要な人に届くように工夫されているのがマーケティング活動である。

少し専門的な話になるが、マーケティング重視の広告内容は、新車のベネフィットとセグメントがわかるように作られている。
「この新車はこういうことを望む人に向けていますよ」ということが示されている。
だから集まってきた人は最初から新車に興味があり、ほとんどの人が購入するということを前提にしている。

これに対して販売促進の宣伝広告は、とにかく多くの人に興味を引くように作られる。
「売る」ことを目的としているので、本来お客ではない人(ニーズのない人)であっても、興味によって引きつけまず集める(集客)。
そしてふるいにかけて集まった全体の中の数%に対して「売る」(販売)。
だから集まってきた人はなんとなく興味があり、購入するのは一部の人であるということを前提にしている。

それから、販売(促進)はマーケティング活動の一部だという意見もあるだろうと思う。
マーケティングの教科書にそういうことが書いてあるかもしれない。

価格設定や流通のしくみ、4P、ニーズやウォンツ、ブランド、セグメントなど、全て販売するためにあるのではないか、と。

しかしその考え方は正しくない。
これらは「買ってもらう」ために何を行うのかという方法である。
しかし実際には「売る」ことにも応用が利く。スキルとしては「買ってもらう」ためにも「売る」ためにも考え方を取り入れることができる。

たとえば「ニーズ」や「ウォンツ」は、マーケティングではお客の声を聞くことで明らかにする。
そして、求めるものに合ったものを用意し、求めやすいように工夫する。

販売促進ではこのニーズとウォンツを「売る」ために応用する。
つまり、ニーズとウォンツがあれば結果的に売れるのだから、人々からそのどちらか(あるいは両方)を引き出そうとする。
または、あたかもニーズがあるように説得する。
ここにも、マーケティングと販売促進の違いがある。

トップに戻るボタン