Esmose

コラムを読む

5章 - 悪魔のツールを退ける

悪魔のツール対策4 – 自分を過小評価する人間のメカニズム対策

強みをダメにする4つ目は、恥ずかしいことではないが誰もが行ってしまうことである。それは「自分を過小評価する」ということにある。

強みをしっかり発掘して自分のことを正しく知ることに長けた人でも、等身大の自分よりも自分自身のことを小さく評価する傾向がある。

なぜ人はそんなふうにしてしまうのかというと、心理的な原因と物理的な原因の2つの原因がある。

まず心理的な原因を見てみよう。

人は誰でも何かしらの不安を抱えている。安定していれば発展や変化しないことに不安を覚え、変化に踏み出せば安定が崩れ去ること、次の安定を手に入れることができるかわからないことに不安を覚える。

不安は強みを持つ自分をつい小さく評価させてしまう。
その方が、安定しているときは自分に説得がしやすく、変化に踏み出したときはリスクを少なく行動することで安心できるからだ。
問題に注目して、機会に注目しない人は自然と安全パイを求める傾向が醸成されるので、自分を過小評価するようになる。

失敗しないことに注目する世界(つまり問題に注目する世界)での、人と人との関係は無難であることが望まれる。
出る杭は必ず打つようになっていて、その枠内で求められたことを行うことが正しいとされる。
そういう社会の中では、強みを存分に自覚することよりも外の世界が求める範囲で強みを発揮しようとする。

ここでも人間心理が強みの発揮にブレーキをかけてしまう。

物理的な原因は対外評価にある。
他の人の基準に自分を当てはめて、自分は素晴らしいとか、人より劣るなどと自分を評価するしくみがある。

たとえば、テストの点数が自分だけ低い。営業成績が自分だけ悪い。はじめて参加したダンス教室で自分だけうまく踊れない、などである。

本当は自分のことを正当に評価するなら、自分の強みを正しく知り、その強みを生かして成果を出したことに注目すればいい。
けれども、多くの人は人が決めた平均基準に自分を当てはめて一喜一憂している。
これが自分に対する強みの発揮にブレーキをかけてしまう。

あるWEBマーケッターは「バイタリティある行動力でどんな人にも会いに行くことができる」「学んだことを独自の視点から形にすることができる」という強みを持っている。しかし彼は自分の強みを正しく知らないだけではなく、自分に自信がないために目上の人の意見に左右されてしまう。

そのため「多くのことを学ぶことができる」という理由から、強みを存分に生かしている上に力強い人の後を追いかけてしまう。
あるいは、自分の意見に共感してくれ、自分の臆病さを指摘しない人と仲良くなる傾向がある。

力強い人との付き合いでも、臆病を指摘しない人との付き合いでも、彼は自分の強みをほとんど発揮することができない。
なぜなら、もし力強い人にそれを否定されたときに自信を喪失してしまうからである。
臆病さを指摘しない人との付き合いでは、強みではなく自分がいつも力強い人から影響を受けている図式を、形をそのままに今度は自分が力強い人になって(実際にはなっていないのだが)実践しようとする。

 

このような心理的、物理的理由から、彼は強みを存分に発揮することができない。
その原因は外の世界での接し方にあるのだが、根本的な問題は自分の心の中にある。

自分の評価を基準に強みを発揮するのではなく、他人の評価を基準に彼らが気に入る能力を見せようと頑張ってしまう。
強みが明らかなだけにとてももったいないケースだ。

自分を等身大の自分としてしっかりと確認し、強みを発揮するためには、まず自分の強みが何で、どのくらいあり、それを発揮してどのような成果を出すことができるのかということを知ることが一番だ。

そして正確に自分の強みがわかったら、今度は自分がそのような強みを持っていることを知っている人に、「その強みに関してあなたはどう思いますか」と訊ねることである。
自分と強みを良く知る人に尋ねる。そして耳を傾ける

この2つのことを行うだけで、自分と強みを等身大に評価することができる。等身大の評価は、強みを正確に使うことを助けてくれる。

トップに戻るボタン