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2章 - キジバトを探す

強み発掘法その5 – 強み発掘できる人の力を借りる

 

人に力を貸してもらって強みを発掘する2つ目の方法は、ずばり「強み発掘ができる人」に見てもらうことだ。

人の強みを発掘することができる人はしかし、極めて数が少ない。
それは強み発掘の方法がまだ体系化されていないので、理論に沿って学ぶことができないからである。

それにそもそも強みはよくわからないもので、そのよくわからないものに時間を割く人はあまりいない。
これも強み発掘ができる人が少ない理由のひとつである。

さらに困ったことに、ある程度人を見る目のある人も相手の能力や実績を評価することがよくある。
能力と実績では強みは明らかにされない。

さらにその人の思い込みも邪魔をする。
その人が相手に「こうあってほしい」という想いを客観的評価と混同して伝えることがある。
たとえば、恋人に「君は本当に思いやりのある人だね」などと言うような場合である。

しかも「人は自分の見たいものしか見ず、聞きたいことしか聞かない」とユリウス・カエサルが言っているように、強みを発掘するべき聞き手にも問題がある。
せっかく強み発掘できる人が正確に強みを伝えたとしても、聞き手が自分に都合のいい解釈しかできないのなら強み発掘は失敗に終わってしまう。

ともあれ、私たちが強み発掘できる人を探そうと思ったら、人間について良く知っている人を探す必要がある。

人間についてよく知っている人を見つけたら、その人が個別化できる人かどうかを見る。
つまり理論や類型に当てはめて人を評価するのではなく、能力や実績で人を見るのではなく、相手特有の卓越性は何か?ということを重要視する人であるかどうかを確認する。
そんな人は滅多にいない。
実際に滅多にはいないが、まるでいないわけではない。

たとえば、適材適所のうまい人事担当者や会社経営者には強み発掘ができる人がいる。
そのような人と知り合う機会がなければ、スポーツチームの監督でもいい(子供のチームでもいい)。

組織運営が必要で、かつそれぞれの特性を生かすようなチームを作る人は強み発掘に長けている可能性が高い。

あるいは、能力やスキルを使うカウンセラーの中にも、カウンセリング経験の量が豊富な人には強みを見ることができる人が稀にいる。
ほとんどいないが可能性はある。

人とのコミュニケーションを大切にするセールスマンの中にもいることがある。
ただし、特定の職種に属する人はその職種で必要な視点から相手を評価するので、その部分だけ注意が必要になる。

モラルやルール、道徳などに束縛されていない人であることも、強み発掘できる人を探すときの大切な条件になる。

三国志で有名な魏の曹操は、魏の国の基盤が固まると「求賢令」という法令を出した。この「求賢令」というのは、「才があればその他一切を問わず採用する」という思い切った発布だった。
罪人だろうが悪人だろうが、才能を国のために生かすことができるなら罪すら問わないというもので、法はもとより、儒教思想の色濃く残る当時の中国でにおいても異例の法令だった。曹操は法よりも、生活文化(儒教)よりも、これまでの常識よりも、人の持つ才に注目して重視した。

この曹操と同じ姿勢を持つ人なら、強み発掘できる人に限りなく近いと考えていい。

強み発掘できる人に見てもらう方法は、6つの方法の中で最も速い方法である。
運良くそういう人を捕まえることができたら、フィードバック分析の何百分の一の時間で同じ成果を得ることができる。

どうしてもそういう人を見つけることができないのなら、自分が人の強み発掘できる人になろうと試みることも間接的ながら方法としては悪くない。

人の強みを発掘できるようになるということは、まず自分の中のルールやモラルなどを排除できるということで、人の強みをありのままの姿で見ることができるということになる。

人がそれぞれ誰でも強みを持っており、その強みが何でどのようなものがあるかということがわかるようになってくると、自分の中の強みもその傾向や特徴を捉えることができるようになる。

 

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