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マーケティングされたサービス

サービスからはじめる自己満足な人たち


ービスからはじめる自己満足な人たち

新企画や新事業、起業を行うときに、こだわりのサービスがお客に受け入れてもらえると考えている人は多い。
マーケティングされていないこの手のサービスは、たまたまお客の求めるものに一致していればうまくいくかもしれないが、ほとんどの場合は失敗する。

サービスから事業をはじめてしまうと、販売促進によってお客候補軍をせかせかと集め、集まったお客の背中をぐいぐいと押して売らなくてはならなくなる。
しかも、一度買ってくれたお客が「やっぱり違う」と思わないように(つまりは、本当はそのサービスを求めていない)接客によって相手を喜ばせ、お客離れが起きないように努力しなくてはならなくなる。

セールスが強い人や販売会社は、それが正しい事業のあり方だと思っているし、すばらしい接客を行う人や会社は、真心で尽くせばわかってもらえると信じている。
確かにそれだけセールスや接客に秀でているのなら、サービスを受けてもらい満足してもらうことも可能かもしれない。

しかしよくよく考えてみると、それは最初に用意したサービスが間違っている可能性に目を向けたくないだけではないだろうか?
「ほら、こんなにすばらしいんですよ」「とてもいいでしょ」という説明や確認が必要だということは、お客は最初からあまりそれが良いと感じていないということでもある。

新しいサービスは、少なくない確率で「人脈を生かすことができるから」「他が儲けているから」「まだ誰も行っていないから」という理由ではじまることが多い。

つまりそれは自己満足であって、うまく行くはずだと思い込んでいることであって、お客が求めていることではない。

最初から買ってもらえるサービス、最初から顧客満足が約束されているサービスを作ろうと思ったら、私たちはサービスよりもまず、マーケティングからはじめなくてはならない。

リサーチではなく、お客の声に耳を傾けること

サービスを作る前にマーケティングを行うといっても、マーケティングリサーチの正しい方法を知らないし、第一大きなお金がかかるのではないかと心配する人がいるかもしれない。
安心してほしい。
私たちが行うことは、マーケティングリサーチではない。お客の声に耳を傾けることである。

世の中の事業は、ほとんど100%小さい事業からはじまる。
成功し継続される事業も小さいまま維持されることがほとんどで、仮に大きくなることを目指しているにしても、これもほとんどの場合小さいものを積み重ねることで大きくなる。

つまり業界全体の動向や、社会背景(好不況など)、同業他社などに目を向ける必要はとりあえずない。
こういったことをうまく行うためのマーケティングリサーチは必要とされない。

やるべきことは、尽くしたいお客の顔を思い浮かべて、彼らの声をなるべく多く集めることである。
たとえば、家事の負担を軽くするために、なんとかしたいと妻の顔を思い浮かべたのなら、妻と同じ立場にいる主婦の声を集めるようにする。

お客の声の集め方は21世紀に入って格段にやりやすくなった。
インターネットが私たちのマーケティングを助けてくれるようになったからだ。

まず、家事に対する主婦の声が集まるサイトを見ればいい。
掲示板には思うところが書かれているだろう。
ブログは本音を書いてくれる貴重な声で、主婦のブログにコメントを残すことで、もう少し掘り下げて話を聞くこともできる。

こういった方法は、たった数年の差であるのに20世紀にはできなかった。インターネットは生の声を直接集めることができる、貴重なツールである。

事業を本格的に進めるのなら、お客の声を集めるためのサイトを作る。

普通に考えると、何かの構想があれば先にそのサービスなり商品のサイトを作ってしまい、反応の具合を見てレスポンスを上げようと活動する。
(この販売促進を多くの人はマーケティングだと思っている)

先に提供するサービスのサイトを作るのではなく、マーケティング活動用のサイトを作る。つまりお客の声をより直に集める。

たとえば7アクトでは、創業前の半年間「お客の声で作る英会話スクール」というサイトを公開していた。
そして多くの声が寄せられ、サービスの方向性を決める大きな後押しになった。
もちろん「英会話」という方向性は決まっていたが、それをお客が最も望む状態で形にすることに力を入れた。

サイトを作り運営するには、労力と時間とお金がかかるが、石油を発掘する時に労力、時間、お金をかけない人がいないように、マーケティングされたサービスを作るのなら、お客の声のために努力する手間を避けることはできない

それでも金銭の問題や、コンテンツの作り方がわからないなど、どうしても無理なのであれば、既にお客の声を十分に持っている(たとえば主婦の)サイトの管理者に会って詳しく話を聞くようにする。
もちろん、会ってもらうために必要な努力も行う。

この方法を繰り返すことで、感覚的にであってもお客の声が耳に届くようになったら、ひとまず成果を出したと考えていい。

お客の声に耳を傾けるときに間違ってはいけないのは、対象お客層に当てはまるからという理由で友人や知り合いに感想を求めることである。

彼らはほとんどの場合、そのサービスを求めていない。
友人だから興味を持ち、手助けもしたいという理由で協力してくれるのであって、求めているから声を出してくれるのではない。
好意的な意見でも厳しい意見でも、それは「求めていない人の声」であって、参考にはならないので気をつけるようにしたい。

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