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4章 - 朝顔は朝に咲く

目的地からはじめるのではなく、足元からはじめる

「できることからやる」というのは、今既に資源として持っている「強み」からはじめるということである。

「目標」や「ビジョン」など、今はないものからスタートしない。
「過去の経験」「熟練したスキル」など、強みでないものからもはじめない。

今持っている強みを使ってできること、からはじめる。

たとえば言語習得の強みがあるために「英語からはじめる」人は、通訳、翻訳、ガイド、教師、外資への就職、海外での就職など、英語を使う仕事の中から強みを最も生かす仕事に就くことができる。

これが目標設定を先にしてしまうと、通訳者に「なりたい」ために強みかどうかわからない英語を習得「しなくてはならな(い)」くなる。
自分の持つ強みを存分に生かす可能性を狭めてしまう。

私がはじめてのビジネスを行ったとき、自分にできることは少なかった。
マーケティングは全くできなかった。
お金もなく借入れをする信用も、担保もなかった。
税務や経理の知識はゼロで、自分が持っている技術を生かして起業することもできなかった。これから何のビジネスを行うかを考えなくてはならなかった。しょうがないので自分が持っている強みを使ってできることからやることにした。
自分の内側にある計画をまとめることと、文章で誰かにアプローチすることは得意だったので、事業計画書を作って330名にメールでアプローチした。

運良くその中の1人がマーケティングを担当して一緒に事業をしてくれることになった。その人は首都圏に、私は関西に住んでいた。
環境の変化に対応するのは得意だったのですぐに東京に引っ越した。

 

強み(と能力)を使って「できること」からはじめたこの事業は、最初の3年で売上高3億円の企業に育った。

「できることからやる」という考え方は強みを生かすための別のメリットもある。

「できることからやる」ということは、小さく試すことからはじめるということと同じ意味がある。
これに対して「戦略」や「プラン」からはじめるというのは、最初から大きなものを目的にするので実行に無理が伴う。

小さく試すことは失敗しにくいということと、軌道修正が簡単という2つのメリットがある。
失敗しにくいことには存分に強みを使ってチャレンジできるし、成果を得やすい。
成果を得ることができなくてもダメージは少なく、小さいことなので簡単に軌道修正を行うことができる。

これが最初から大きなことを基準にしてしまうと、強みだけではなく能力を使わなければ成果が上がらなくなることがある。
そうすると強みは十分に生かされなくなってしまう。しかも強みと能力のかけ合わせが成果を生み出すとは限らなくなってしまう。
成果を上げる可能性が下がってしまう。

これが強みを最大化するために必要な考え方の3つ目「できることから行う」ことのメカニズムである。

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