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サービスの本質

サービスは競争しない

サービスは収益目的で活動したことがなく、商売は収益性を目的に活動してきた。だからサービスには競争がなく、商売には競争はがある。

サービスははるか昔から競争するものではなく、そこに在るものだった。
社会のシステムそのものだった。

たとえば道路がひとつできると、それは単に以前より便利になったというだけのことだった。
その道路は他の道路と競争しなかった。どちらの方が、よりサービスが優れているかを競い合わなかった。

これに対して商売には、古代から競争が存在した。
世界最古の職業といわれる売春では、他の売春婦よりも美しさを心がけ、コミュニケーションを心がけた。
隊商は他の隊商よりも速く、多く、質の高いものを輸出し、輸入することを心がけた。
傭兵は強さと、結果としての勝利に集中した。

そうすることが商売上の利益に直結した。
サービスを良くしたのではなく、競争に(勝つこと)よって商売を円滑にし、利益を多く獲得したのだった。

そもそも売春婦の美しさ、隊商のスピード、傭兵の勝利などにサービスを提供するという考え方はない。
あるのは利益を得るという考え方だけである。
端的に言えば、儲けるということだった。
商売は現代においても競争は必然であり、目的は収益にある。

サービスと商売の違いを理解して活動を見てみると、特性的な違いがあることに気がつく。
それは「価値」を主体にすると競争が起こり、「効用」を主体にすると競争が起こらないということである。

サービスは競争によってより良くならなくてはならない、というのは大きな誤解である。

価値を競えば、仮にトップの座を維持していても競争を避けることはできない。
むしろ、競争があることで価値は磨かれ(商売は活性化し)、品質の向上やイノベーションにつながるともいえる。

一方で、効用が基準になると競争ではなく共生が生まれる。
サービスにあるのは個性と違いであって競争ではない。
ひとつひとつの個性をありのままに認めたとき、上を目指すもの同士の競争ではなく、横のつながりを持つもの同士の「共生」が生まれる。

たとえば、同じ出発点と終着点を持つ道路、高速道路、鉄道は競争しない。共生する。
利用者がそれぞれ自分に合った効用によって、どれを使うかを決める。
高速道路を選んだからといって、高速道路が優れているとも、価値があるとも、競争に勝ったとも、顧客満足度が高いともいわない。
ましてサービスが良いとは決していわない。

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