Esmose

コラムを読む

序章 - 東の国で偉人が死んだ

2人の偉人が死んだ

私が犬と二人暮しをして1年半と少しが過ぎた頃、ちょうど東の国で偉人が死んだ。

偉人が死んでから2ヶ月間、何をどう思ったのかはちゃんと覚えていないけれども、とにかく3ヶ月目から自分だけがしっかりと目にしている、あるジャンルの本質を書きはじめることにした。

私は「本質」という概念にとてもこだわりがあって、だから東の国の偉人が死ぬ前には彼の著作をほとんど読んだし、説明しきれないほど多くのことを学んだ。

そういうわけで、まだ正しく理論が作られていないジャンルのある物事を体系化してみたら、なんと30万字超という長さになってしまった。
最初本にすることを考えたが、結局それが自分の本当に望むことではないと考え直してやめた。
ホームページに書き落として、たまに見にくる必要性のある人がそれなりに役立てて帰ってくれる、というところに落ち着いている。

校正もしっかりしたし、末端情報を調べ直したりしたので、30万字書き終わった頃にはすっかり2シーズンも過ぎてしまっていて、外気は凍る寒さのはずがうだる暑さになっていた。世の中が移り往くのは実に早い。

それから2ヶ月、この間も何を考えていたのかよく思い出せないが、とにかく東の国でまた別の偉人が死んだ。まったくよく死ぬものである。
よく死ぬということは、とてもいい生き様をしていたということでもあるわけで、彼もまた世の中に素晴らしい業績を残して去っていった。私はその業績を、身をもって何度か体験していて素晴らしい成果を肌で感じていたので、とても残念に思った。

別に東の国の偉人が死ぬたびに何かの影響を受けるわけではないが、ちょうどその時期と前後して今度は「強み」を体系化してまとめ、書き落としていた。

今度は全てを余すところなく書くのではなく、大切な部分や、忘れずに記録しておきたいところだけどまとめることにした。
だからほんの1ヶ月ほどの間に無理をせず書くことができた。夏にはじめて夏に終わった。実にスムーズでキレのいい始まりと終わりだ。今度は本にできるほどの分量でもない。


 

ところで「強み」にこの2人の偉人がどう関係あるのかというと、それはもう強い関係があるのだが、私が最初に「強み」を具体的に意識したのは彼らの影響ではなかった。
ストレングス・ファインダーというアメリカのコンサルティングカンパニーが、人材の強みをビジネスに生かす目的で開発したツールだった。

このツールは実に優れもので、そしてアメリカ人的な方法でツールとなっていた。
それはつまり、脳のシナプスの発達した部分を科学的に検証し、大量のデータを取ることで、それぞれの人が持つ強みを34の資質に分類して上位5位を生かすというものだった。

もう少しシンプルなものなら、ハーマンモデルというツールを当時マネジメントしていた会社に取り入れたことがある。GEなどの大企業も取り入れているらしい。
脳を左・右と辺縁系・新皮質の組み合わせによる4つのポジションで判定するものだ。脳のどの部分を使っているかによって向いている職業まで特定することができる。

ともあれそうこうしていろいろなものを試したり、検証したりしてきたわけだ。どれもやはりアメリカ人的発想できちんと科学的検証されているもので、とても興味深かった。
が、しばらくすると飽きた。

「飽きた」といっても、与えられたおもちゃに満足できなくなった子供と同じ飽き方なわけではない。
最初は興味があって楽しかったが次第につまらなくなった、ということではない。

最初は興味があって楽しかった。
そしてもっと深く研究して実データを取って、分析して、深く知ることに時間を費やしたが、何か違う、何か足りないと感じざるを得なかった、ということだった。

トップに戻るボタン