自分の強みを明らかにする松原靖樹のエスモーズ理論

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【千式】カウンセラー 0683


「アウトサイド」1話目はここから

病院の専属カウンセラーとして勤務してもう15年になる。金田は思った。野間良枝は一見してこれまでに見たことがないほど、精神を病んで「いなかった」。普通の中の普通。平凡の中の平凡。トラウマの強度チェックもしたし、もちろん精神疾患の検査もした。だが何一つ以上が認められなかった。普通は何かちょっとしたものがあるのだ。人間だから。誰でも何かしらある。だが野間良枝は何一つ異常が見当たらない。
もし僕が研究熱心な精神科医か何かなら、野間さんのことは興味を深く持っただろう。だがいち不熱心なカウンセラーはそういうとき「何も問題ありません」と判断するのだ。そしてそういうことは翌日には忘れていくのである。

そんなことを金田はカフェで彼女に話した。彼女も上の空で聞いていた。林は傾聴して聞いていた。

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