自分の強みを明らかにする松原靖樹のエスモーズ理論

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【千式】父の仕事 0662


1話目はここから

私は埼玉県南部のとある小さな酒蔵の娘として生を受けました。生家は裕福ではありませんでしたが、とりたてて苦労や貧乏をした記憶はありません。父は大きな手をしていた記憶があります。職人さんが数名出入りしていました。父はうまくやっていたようですし、母は職人さんたちによくお茶を入れていたのを覚えています。
私は父のことが大好きで、少しでも気に入られようと思って、よく酒蔵を遊び場にしていました。職人さんが真剣な眼差しで仕事をしている姿を見て格好良いと思いました。その職人さんも快く父の部屋に通してくれました。
今思えば社長室のようなものだったのだと思いますが、父はそこで私にお酒の製造のこと、種類のこと、道具のことなどを話してくれました。当時はそれを不思議と思いませんでしたが、職人気質の父は子供にもお酒の話しかできなかったのかなと思うと、今ではなんとなく可愛く思えます。

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