マンガは戦いものをものすごく好む。子供の頃から歴史、つまり戦争の続く世界を読み込んできている。だが格闘技を習うとか力に訴えようと思ったことがない。一度だけ中学生のときにカツアゲに遭ったことがある。すぐ暴力に訴えそうな2人組に絡まれた。人気のないところに連れられ金を取られた。何もできなかった。
そういう人間がいることが嫌でたまらず、許せなかったし、堂々と存在していることに例えば警察とか全然仕事をしていないのだなと思った。そして自分の力がないことを呪った。暴力の技術ではなく、めたくそにやられても矜持を守らない弱い自分が情けなかった。
心の真実がひとつわかった。理不尽な暴力に屈すること、これは自分で自分が許せないということ。心を鍛える必要があること。卑怯者を許してはならないということ。弱い者はどうどうとダシにされることが現実に起きていること。それを良しとしない自分。で?どうする?自分の真実に従った生き方は?という歩みをしてきたと思う。
次話: 【千式】弱者への暴力 0256