自分の強みを明らかにする松原靖樹のエスモーズ理論

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【心の強み06】心の強みが裏返ると人格を下げる


■例えば寛容で、人を許すことに長けている人が、人からとても信頼されているとする。あまり怒らないし、長い目で物事を見ることができる。甘やかすのではなく、受け入れる。そして多くの人がその人に救われているとする。

だが、もしこの心の強みを、決して反省などしないシリアルキラーに対して発揮したらどうなるのか?その殺人鬼がその後気持ちよく殺人しまくるとしたら?

強みと同じように、心の強みも時と場合、相手を選ぶ。適用を間違えると大きな暴力になる。「許し」の裏返りは「偽善」になる。許しが私だから。許しは素晴らしい。自分を許そう。と言っている人が何か胡散臭いと思うなら、その一方向の心の強みが暴力となること、それを助長していることを知らないからだ。

■シリアルキラーはもちろん、相手が相手の人格的に間違っている時に自分ができる最低限の態度は「厳しさ」になる。本来の相手を呼び起こし、受け入れてはいけない事実をきっぱりと否定する。

いい感情を持てばいいというような浅い話をしているのではないのだから、その厳しさが相手に、自分にどのように使われるべきなのか?厳しいことに長けている人は知っているだろう。

だが、その厳しさを誰に対しても、いつも、厳しするべきだと捉えている自分がいるのだとしたらそれも暴力だ。

場面によっては相手を尊重せず、尊厳を傷つけるただの暴力になる。「厳しさ」の裏返りは「押し付け」となる。本人の中にどのような正当な理由があるかは関係ない。

■そんなとき「思いやり」を持って人に接することができればいいだろう。相手を思い、相手を知る。少なくとも知る努力をする。相手が相手であることを中心にして、なら何をどのように受け入れ、認めることが良いのかという振る舞いをする。

そのことによって安心する人も、信頼する人も出るだろう。その思いやりを相手も正しく理解してくれたとしたら、自分にとっても人として温かいものを感じるかもしれない。

だが人の気持ちを軽んじ、自己中心的で、自分の思い通りになればいいのだとするような人に対して、報われることのない思いやりをかけることは自分にとって正しい行いだろうか?

人を思いやることで自分を犠牲にする。求められていないのに気にかける。マイナス基準でそれを避けるように振る舞う。そういうのは「思いやり」ではなく「心配」という。

「心配」をすれば自分の価値も相手の価値も下げる。

■「感謝」はどうだろう。ありがたいとただ心の中で思っているだけではなく、それを表現や行動に変える術を持っている。相手に受けた恩を、重荷にすることなく受け止め、忘れない。相手のことを気にかけるようにし、近くからも遠くからもよく見る。そして必要な時には自分が返すことができるように働きかけをする。

それをもし自分のことを軽んじ、利用するような人に行うとしたらどうだろう?自分を殺し相手を増長させることになる。これは感謝ではない。恩義は重荷に代わり、「感謝」は「負担」になる。

■「偽善」「押し付け」は人格を『欺瞞』の方向に引っ張る。

「心配」と「負担」は人格を『依存』に向かわせる。

心の強みの扱いを間違うために、人格を下げ

自分も関わる人もダメな方向に強く持っていく働きをすることになる。

他にも「努力」を間違えると「苦行に」

「忍耐」を間違えると「我慢」になり、

人格を『絶望』の方向に向かわせる。

「貢献」を間違えれば「自己犠牲」に陥り

「インセンティブ」を間違えると「リスク回避」の行動を取るようになる。

この場合人格は『自失』方向に向かう。

多くの場合人格をマイナスに引っ張ることは積極的にしていても

正しく扱い伸ばす人はほとんどいない。

心の強みは、それを当てはめるための必要な基準がある。

誤ったところに当てはめると人としての大切なものが破綻する。

■人格を正しい場所に当てはめ、少なくとも下げる方向に向かわせないためには

どのような場合も「意識」することが必要になる。

自覚、フィードバック、注意深く見る、などのことを含む。

「うっかりしていた」「油断していた」「これまでと同じように振る舞った」

だが上手くいった・・・などということは決してない。

人格に限っては意識せずに上手くいくことは絶対にない

■だから伸ばすために必要な8つの要素・・・

許し

厳しさ

思いやり

感謝

努力

忍耐

貢献

インセンティブ

の8つの中で、自分が最初から心の強みとして持っているものを知り、

意識的に使い、意識的に伸ばす必要がある。

使う場所を間違えないようにも気をつける。

それをすることで

「許し」と「厳しさ」によって『高潔さ』が

「思いやり」と「感謝」によって『誠実さ』が

「努力」と「忍耐」で『自立』が

「貢献」と「インセンティブ」で『配慮』が

それぞれ得られるようになる。人格が向上する。

人を見て「あの人素晴らしい人だな」と思ったら

その人はおそらく許しと厳しさを扱う意識を人よりも持ってきたということだし

「あの人は自分がある」と思ったら

人よりもはるかに努力と忍耐を行ってきた人で、かつ

苦行と我慢をしないように心がけたのだろう、とわかる。

逆にこの目線で見れば、自分が伸ばすべきところもわかるようになる。

人格を意識で伸ばす。下げることも排除する。

そういう人が得られるものが何であるかも知っておく。

「人格を伸ばす」というとなんだか嘘くさい。

だが心の強みを伸ばしていく。

その結果に人格の向上がある。

その種類と関係性はこうなっている。

と知れば、心の強みを伸ばしたいと思えるんじゃないだろうか。

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