シリーズ2本目です。
ストレートに結論から言うと、「今のままではいけない」と思っていいのは「今のままでいい」人です。
矛盾があるかもしれませんが、現実的に「今のままではいけない」人は確かにいます。
ややこしいかもしれませんが、「今のままではいけない」人は
今のままではいけないことに取り組むのではなく
今のままでいいという状態を得るために取り組むべきです。
そして前編で書いたように、「今のままではいけない」人は事実ほとんどいません。
ほとんどの人はそこそこ幸せが「今」の状態なのに、気分で「今のままではいけない」と思っているだけです。
事実「今のままでいい」人は、次に「今のままではいけない」に取り組むべきだと思います。
「今のままでいい」から、「今のままではいけない」に取り組むのです。
「今のままでいい」は100%です。人は100%の維持だけを目的にすると成長しなくなります。
成長は必ずいつもしなくてはならないものではありませんが、
成長しないことが当たり前になると手持ちの古い資産だけで自分を運用していくことになります。
普通に考えて10年後20年後にうまくやっていけるとは思えません。
といって、成長意欲に取りつかれて、何が何でも成功しなくてはならないのだなどとする必要はありません。
必要なことは安定成長です。
今現状を認めながら、そこそこ幸せでありながら、少しずつ背伸び程度で伸びていくことができれば
今がそこそこ幸せなのだから、それがそこそ幸せになり、そこ幸せになり、そ幸せになり、
長い時間をかけて幸せになるようにするのが、無理なく誰にとっても確実に幸せになる方法です。
ビジネスでも同じことが言えます。
今売上げを生み出している核となる商品に集中し、今動線として最も機能している営業手法に集中します。
売上目標は四半期や半期、場合によっては1期で1.1倍という無理のない成長を目指して安定収益を増やします。
常に1.1倍という無理ない数が目標だから、数字的に成長していないように感じるかもしれませんが、
実は複利 が働くので、飛躍的な成長に必ず結びつきます。
(複利が良くわからない方はリンク先ウィキペディアをどうぞ)
個人でもビジネスでも、成長は成長を目的とせず、毎日少し伸びるだけで成長します。
植物が成長するとき、いちいち成長を説かなくても
土壌と水と日光に注意を払えば、あとは毎日見ているだけでいいのと同じです。
こういうのを安定成長といいます。
安定成長は「今のままでいい」から、「今のままではいけない」に取り組む場合にしか手に入りません。
それでも、成長していても、古い資産は微減していくことがあります。
今までのやり方が通用しなくなったり、単純に古いものになってしまったりします。
そういうときに備えて、またはそうなるという事実を組み込んで定期的に新しいことを取り入れます。
新しいことは「今のままではいけない」人が取り組むものではありません。
「今のままでいい」人だけが取り組むことができる物事です。
そこそこ幸せをより良く、安定収益を1.1倍で伸ばしている人だけが新しいことに取り組めます。
(例外は若者です。若者は何事も新しい経験になるので何でも試すべきです)
ビジネスの場合なら、安定収益、安定経営がないということなら、イコール新企画を行う体力がないということです。
ピンチを新企画で打開することはできません。
なぜなら、新しいということはそのままイコール確率が低いということだからです。
ベンチャー気質のある人は、新しいことにチャレンジしたがります。
確率が低いことを我が実力で打破したときの快感を味わいたいからです。
だから、逆に、新しいことに取り組んでいないと不安になり、「今のままではいけない」としてしまう傾向があります。
新しいことに取り組むときは、今ある「そこそこ幸せ」「安定成長」を維持しながら、確率の高いものに取り組みます。
確率が高いものというのは、個人の場合なら人が自分を評価してくれる、自分では気がついていなかったポイント。
ビジネスならお客の多数が示している、これまで取り組んだことのない切り口のことです。
もちろん新しいことはリスク満載です。
リスクは、どのような場合も避けることはできません。新しい=リスクです。
けれども、動かないというリスクに比べると新しいことに取り組むリスクは少なくて済みます。
リスクは避けるものではなく、取っていいリスクは何かを選ぶことです。
そのリスクは致命的か、大ダメージか、発生しても乗り切れるのか。
必ず超えなければならない種類のものか、そのままでもいいのか。
リスクは「必ずある」前提で、どのリスクを選ぶか選別する必要があります。
もちろんリスクで何かを選ぶのではなく、
確率の高い新しいことの中から、今現状を破滅させないリスクのものを選ぶと
新しい物事を自分の物として既存のラインに組み込んでいくことができます。
このやり方が定着してくると、「今のままではいけない」と「今のままでいい」の循環ができて
うまい流れを作っていくことができるようになります。