自分の強みを明らかにする松原靖樹のエスモーズ理論

HOME / コラムを読む

後付けの理由


こちらは2010年04月09日に掲載されたコラムです。

もともといいわけというのは、自分の心を守るためにあるものです。

心に敵が侵食するのを防ぐために、いいわけをして緩和したり回避したりするのがいいわけの特徴。

だから、社会的にはいいわけは悪いことになっているけども、心理的には割といいことでもあるわけです。

昔こんなのも書いていました。

行動後の4つのいいわけ  
【1.謝罪】  
【2.正当化】  
【3.弁解】  
【4.否定】  
行動前の3つのいいわけ  
【5.回避】  
【6.棄権】  
【7.セルフハンデキャッピング】  

で、後付けの理由というのが

自分を縛ってしまうかなり厄介なメカニズムなのです。

直感的に間違っているなとか、気が乗らないとか、あるいは流されてやってしまったとか、

これまでやってきたことを否定してしまうと自分がダメな気がするからそれを認めたくないとか、

そういう前提があるときに後付けの理由は生まれます。

「これをやったのにはちゃんと意味があります」

「これをやったおかげで、○○や△△を得ることができた」

「これをやったからこそ、次の□□につながる」

とかとか。

こういう後付けの理由が発生するとき、

そもそも最初から考えられていたのではなく突発的に出ることが多いので○○などの部分が、

抽象表現になることが良くあります。

が、そこを突っ込むと、悪くするとキレられたり、

良くても「あなたの言っていることも分かるけど私はそう決めたから尊重して」みたいなことによくなります。

それをやる適切な理由などないにもかかわらず。

じゃあ、○○の部分を具体的に示せればいいのかというと、

それは自分を正当化するために前々から考えに考えたいいわけ理由を用意しているので、

結局のところ何重ものいいわけによって自分を説得しようとしているわけです。

当然、自分らしくうまくやることはできない。

人間は脳構造的に「理由」を探すようにできているらしいです。

社会的には説明責任を求められたり、心理的には安心を得ようとしたりや認知欲求を満たそうとしたり。

理由を探す理由までこうしてちゃんと用意されています。

これも後付けの理由。

後付けの理由は、それが正しければ正しいほど、継続していればいるほど、

自分でも知らない間に自分を縛ってしまって、動きを取らせにくくなるという特徴があります。

「自分でこの仕事を選んだのだから、ここにいる間は精一杯やろう」と、

言っている時点で既にこの仕事は自分に合っていない、合っていない時間を過ごすということだし、

「あの彼にもいいところがあるの」

とか言っている時点で、全般的にダメな彼だと証明しているようなものです。

反対側から考えると、

わざわざ理由を探さなければならない状態がもう、全然ダメダメだということでもあります。

なぜかというと、ほぼ誰でも確信を持って進んでいるときは理由を示す必要がなく

理由はその行動の初期に出てきただけで、あとは気にする必要がない・・・という状態になっているからです。

いざその行動の、間違いの可能性を指摘されたら、

後付けの理由を生み出す必要もなくて、初期の理由を説明すればいい。

その理由が古臭いものになっていたり、初期とは事情が変わって理由が通らなくなっているなら

「指摘してくれてありがとう。気がつくことができて良かった。もう止めるよ」

と受け止めればいいわけです。

極端に言うなら、

これができる人が素直。できない人が素直ではない、ということです。

これができる人は後付けの理由は必要なく、できない人は後付けの理由で自分を守ろうとします。

結局、どっちがうまくいくのかは明らかです。

この考え方だと、余談だけどこういうのも説明できます。

理屈っぽい(特に男の)人がなぜ理屈武装するのか?

何重もの理屈シールドをあらかじめ用意しておくと、自分の正しさを打ち破られる心配がないからです。

人との関係性や指摘を、自分に対する攻撃として見ている前提があるので

理論によって後付けの理由を固めておく必要があるわけです。その人にとっては。

結果、誰も何かを教えようとか、指摘しようという気持ちにはならず、

むしろ人間関係を避けるようになります。

なぜなら、自分の正しさを証明するためには攻撃を受けたときだけガッツリ防御するだけではダメで、

こちらから攻撃すればするほど後付けの理由による自分というのがいかに正しいかを示すことができる

からです。

相手に論拠を求めるとか、科学的ではないことを認めず批判するとか、

そんな行動に出ているともう要注意です。

逆に女性に多いのは、感情的になって後付けの理由をかたくなに守ろうとする態度。

これも人を遠ざける理由になります。

後付けの理由なんかやめてしまって、もっと言えば理由を探すことなんかやめて、

単純に素直な人が、長い目で見ると結局はうまくいくようにできているのだと思います。

【関連記事】
「素直でない」ことと「認める」ことをいいわけにしない

◆ 

◆ 

◆  

◆ 

◆ 

◆ 

◆ 

◆ 

◆ 人生を作る【一次】の生き方

トップに戻るボタン