せっかくマーケティングに成功していても、ただの思い込みやこだわりでサービスを作ってしまうと、そのサービスはうまく働きません。
売上げや顧客満足に力を注がなくても、「買ってもらい」「満足してくれる」サービスの作り方を順番に見ていきます。
・・・・・・・・
メディア・出版関係者のお問い合わせはこちらからどうぞ
➔ info@esmose.jp
せっかくマーケティングに成功していても、ただの思い込みやこだわりでサービスを作ってしまうと、そのサービスはうまく働きません。
売上げや顧客満足に力を注がなくても、「買ってもらい」「満足してくれる」サービスの作り方を順番に見ていきます。
・・・・・・・・
メディア・出版関係者のお問い合わせはこちらからどうぞ
➔ info@esmose.jp
そしてマーケティングされたサービスを提供する事業は、おもしろいことにマーケティング→サービスの順が逆転し、サービス→マーケティングの図式が生まれる。
たとえばミッキーマウスはディズニーランドのシンボルでありながら、最も初期の古いキャラクター商品でもある。
ディズニーランドはミッキーが住む夢の国というコンセプトで作られたサービスとして、知名度も完成度も高い。
そのミッキーやディズニーランドというサービスが、お客が積極的に知ろうとするマーケティング活動を可能にしている。
「お客が積極的に知ろうとする」は「お客の声に耳を傾ける」とは少し違うように感じるかもしれないけれども、どちらも「お客が求めるもの」であること変わらない。
違うのは事業主が主体か、お客が主体かだけである。
そしてお客が求めるものは、実際にミッキーやディズニーランドとしてサービス提供されている。
つまり
サービスがマーケティング活動を行うようになり、お客の求めるものを明らかにする。
そして少しややこしいけれども、
サービスがお客の求めるものを明らかにして、それに応えることで、またサービスに反映する。
マーケティングとサービスの循環ができる。
つまりこの歯車がうまく回りはじめると、マーケティングとサービスの境目がなくなり、お互いがお互いを補完する関係になる。
これはマーケティングにとってもサービスにとっても究極の形で、このようなマーケティングとサービスを持つ事業では、マーケティング活動とサービス活動に力を入れることだけが、売上と顧客満足を高めさせる。
こうなると努力と苦労の販売促進や、ストレスと我慢の顧客満足促進はもう不要になる。
マーケティングとサービスの関係の図式が見えてきただろうか。
マーケティングの具体的な方法は的を絞って書いたので数は多くないけれども、どのような事業も最初は小さくはじまるので、スキルを応用してお客の声に耳を傾けるようにしてほしいと思う。
しかしせっかくお客の声に耳を傾けても、サービスが不完全であれば全てが台無しになってしまう。
サービス利用したお客は不満足を覚え、失望して二度と信用してくれなくなるだろう。
したがって次のトピックスからは、最初から完璧なサービスを作るための法則を見ていくことにしたい。
・・・・・・・・
メディア・出版関係者のお問い合わせはこちらからどうぞ
➔ info@esmose.jp
まず、物事の順番がある。
マーケティングによってお客の声に耳を傾けることからはじまり、それを満たすサービスが用意されるのなら、マーケティングとサービスはお互いを補ってうまく働いてくれる。
この順番を逆にしてしまうと、サービスの不備をマーケティング(お客の声)によって探し出すことになるので、サービスとマーケティングは対立してしまう。
お客の声によって作られたサービスは、既にマーケティングが完了しているのだから、変化させる必要は基本的にない。
大多数に支持されているからである。
しかしそうはいっても、サービスをスタートした後になって、スターバックスのノンファットミルクのように予想しなかったことをお客が望むことがある。
こういうときに新しいお客の声を取り入れると、それまでのサービスが台無しになるとしたら、お客の声を取り入れてはならない。
サービスも、これまでサービスを継続することによって作られたブランドも、一気に崩れてしまう可能性がある。
このような場合は、ノンファットミルクの導入を新サービスと捉え、その上でこだわりを持って提供できるのなら提供するという方法を取るようにする。
この方法で、これまでのコーヒーの味は守られ、新サービスもお客の声に応えるだけではなく、緻密に考えられて提供されるようになる。
それからお客の声に耳を傾ける上で大切なことは、多くのお客が望んでいるのかどうかということであることを覚えておきたい。
ということは、一人のお客の強いクレームに応える形でサービスを変えたり、新しいサービスを作ったりしてはならないということになる。
それは、マーケティングによって顧客の声に耳を傾けたのではなく、ただ単にクレームのプレッシャーに屈しただけである。
サービスはクレームのプレッシャーに屈して変わるものではないし、マーケティングはクレームのプレッシャーをお客の声とは認めない。
このようなことに気をつければ、マーケティングとサービスは対立せずに両立する。
矛盾の語源となった矛と盾を突き合わせることなく、両方を装備して戦いに挑むことができるようになる。
サービスがスタートすると、ひとまずマーケティングの役割は終わる。
サービスを的確に知ってもらうための宣伝広告やPRなどを行うことはあるかもしれないが、顧客の声に耳を傾ける行為はひとまず終わる。
顧客の声に耳を傾ける必要性が復活するのは、サービスに特別客が生まれはじめた頃からである。
サービスのことをよく理解してくれ、支持してくれ、利用してくれるお客のことを特別客というが、事業では特別客が生まれはじめるとサービスの形が整ってきたと考えることができる。
この頃にお客の声に耳を傾けるのは、2つの意味がある。
ひとつは特別客をピラミッドの中心とするお客が、
という理由。
もうひとつは、形の整った
という理由である。
つまり、サービスの内側でも外側でも、お客の声が変わってしまっている可能性が生まれているので、それをよく聞いて読みましょう、必要があれば新サービスを生み出し、広告やPRの方法を変えましょう、ということである。
お客の声に耳を傾けることは以前よりも難しくはない。
既にサービスを利用している既存客には電話とメールで1人1人に声がけをする。
この方法はもちろん規模にもよるが、顧客数が1万人以内であれば可能な方法で、かつ直に声を耳にすることができるので価値がある。
電話やメールで連絡することはあらかじめメールマガジンや会報などで知らせておくとレスポンスが高まる。
アンケート調査という方法は一万人を越えると有効だが、お客の声を「読む」作業に力を入れなくてはならなくなる。
まだサービスを利用していない見込み客の声を聞くには、サービスをはじめる前の方法と同じくネットから情報を集めるのもいいし、声を集めるためのサイトがまだ稼動していればそこに集まる声の変化に注目すればいい。
サイトがなければこの機会に作ってしまうという方法もある。
あるいは、購入を迷っているがとりあえず説明を聞きに来たというお客を目の前にして、直接聞いてみるという方法も効果がある。
初期にお客の声に耳を傾けていた頃と違うのは、自社のサービスについて現在どのように感じて、見ているかということにも注目するということで、その声に耳を傾けるための質問なども最初から考えておくようにしたい。
サービス作りの方法は次のトピックスで見ていくとして、ここではマーケティングされたサービスによって売上と顧客満足を満たすことができたという事実に注目してほしいと思う。
・・・・・・・・
メディア・出版関係者のお問い合わせはこちらからどうぞ
➔ info@esmose.jp
それはあくまで表面上の意見でしかない。
マーケティングを行うとき、私たちは心理学者やベテランのカウンセラーのように、相手の奥底に眠っているものを読まなくてはならない。
でなければ表面上のニーズに応えるサービスを用意してしまい、いざ新サービスがスタートしても思ったほど支持されないという状態になりかねない。
お客は遠慮や人間関係を気にする心理から本心とは違うことを話してしまったり、無難なことを話すことがある。本当に思っていることよりも少なめに話すこともある。むしろ言わないこともある。
何かをよく伝えてくれる人でも、よく聞いてみるとサービスとは関係のない話をしていることもある。
問題指向の人は取るに足りない問題をあげつらうこともある。
こういったことは全て表面上のニーズだ。
表面上のニーズの奥を覗いたときはじめて、本当に訴えかけていることが浮かび上がってくる。
マーケティングは、
で行う。
お客イコール神様のスタンスで行う。お客の声を天の声として扱う。
神様の言葉が時々抽象的であるように、お客の声もあいまいなことがあるので、それを正しく読むように心がける。
そのためには、
になる。
ただ、量はインターネットでほとんど得ることができるので、できるのであれば現場の空気や声を身近に感じることのできるお客の声がほしい。
「スターバックス成功物語」には、お客の声に応えノンファットミルクを取り入れようとするハワード・ビーハーが、ある男性社員に(コーヒーの味を損なうとして)すごい剣幕で詰め寄られる場面がある。
「あなたが今やろうとしていることは、われわれのコーヒーの質を守ることにはならない。むしろ、品質を損なうことになる。このままでは、顧客の望むことなら何でもやるということになってしまう」。
「君は、どうかしているんじゃないのか」。ハワードは自分がこう答えたことを今でも覚えている。「もちろん、顧客の望むことなら何でもやるよ」。
この姿勢はサービスのあるべき姿だとよく誤解されるが、これこそマーケティングのあるべき姿である。
顧客こそが至上であって、顧客の意見に応えることがマーケティングの使命である。
取り違えてはいけないのは、このような行為はお客を喜ばせるために行うのではない、ということで、あくまでお客の求めるものに応えるために行うということがポイントである。
マーケティングが100%お客中心で行うのに対して、サービスは
で行う。
上のスターバックスの例でいうなら、ハワード・ビーハーに詰め寄った男性こそ、サービスマンの鑑であると言ってもいい。
サービスは本質的に、サービス提供者が何を提供するかを一方的に決める。
お客の声に応えるにしろ、応えないにしろ、提供するものを決める時は提供者が一方的に決定する。
しかもサービスは、サービス提供者からお客に向かって一方的に提供される。
逆の流れはない。
この一方的な特徴を持つサービスだからこそ、そのサービスが
でなくてはならない。
だからスターバックスの男性社員は、お客の意見を取り入れるかどうかよりも、コーヒーの品質(つまりサービス)を守るために最善と思われることを行った。
それがノンファットミルクを導入しない方針だった。
この意味で彼こそがサービスマンのお手本であることがわかる。
・・・・・・・・
メディア・出版関係者のお問い合わせはこちらからどうぞ
➔ info@esmose.jp
新企画や新事業、起業を行うときに、こだわりのサービスがお客に受け入れてもらえると考えている人は多い。
マーケティングされていないこの手のサービスは、たまたまお客の求めるものに一致していればうまくいくかもしれないが、ほとんどの場合は失敗する。
サービスから事業をはじめてしまうと、販売促進によってお客候補軍をせかせかと集め、集まったお客の背中をぐいぐいと押して売らなくてはならなくなる。
しかも、一度買ってくれたお客が「やっぱり違う」と思わないように(つまりは、本当はそのサービスを求めていない)接客によって相手を喜ばせ、お客離れが起きないように努力しなくてはならなくなる。
セールスが強い人や販売会社は、それが正しい事業のあり方だと思っているし、すばらしい接客を行う人や会社は、真心で尽くせばわかってもらえると信じている。
確かにそれだけセールスや接客に秀でているのなら、サービスを受けてもらい満足してもらうことも可能かもしれない。
しかしよくよく考えてみると、それは最初に用意したサービスが間違っている可能性に目を向けたくないだけではないだろうか?
「ほら、こんなにすばらしいんですよ」「とてもいいでしょ」という説明や確認が必要だということは、お客は最初からあまりそれが良いと感じていないということでもある。
新しいサービスは、少なくない確率で「人脈を生かすことができるから」「他が儲けているから」「まだ誰も行っていないから」という理由ではじまることが多い。
つまりそれは自己満足であって、うまく行くはずだと思い込んでいることであって、お客が求めていることではない。
最初から買ってもらえるサービス、最初から顧客満足が約束されているサービスを作ろうと思ったら、私たちはサービスよりもまず、マーケティングからはじめなくてはならない。
サービスを作る前にマーケティングを行うといっても、マーケティングリサーチの正しい方法を知らないし、第一大きなお金がかかるのではないかと心配する人がいるかもしれない。
安心してほしい。
私たちが行うことは、マーケティングリサーチではない。お客の声に耳を傾けることである。
世の中の事業は、ほとんど100%小さい事業からはじまる。
成功し継続される事業も小さいまま維持されることがほとんどで、仮に大きくなることを目指しているにしても、これもほとんどの場合小さいものを積み重ねることで大きくなる。
つまり業界全体の動向や、社会背景(好不況など)、同業他社などに目を向ける必要はとりあえずない。
こういったことをうまく行うためのマーケティングリサーチは必要とされない。
やるべきことは、尽くしたいお客の顔を思い浮かべて、彼らの声をなるべく多く集めることである。
たとえば、家事の負担を軽くするために、なんとかしたいと妻の顔を思い浮かべたのなら、妻と同じ立場にいる主婦の声を集めるようにする。
お客の声の集め方は21世紀に入って格段にやりやすくなった。
インターネットが私たちのマーケティングを助けてくれるようになったからだ。
まず、家事に対する主婦の声が集まるサイトを見ればいい。
掲示板には思うところが書かれているだろう。
ブログは本音を書いてくれる貴重な声で、主婦のブログにコメントを残すことで、もう少し掘り下げて話を聞くこともできる。
こういった方法は、たった数年の差であるのに20世紀にはできなかった。インターネットは生の声を直接集めることができる、貴重なツールである。
事業を本格的に進めるのなら、お客の声を集めるためのサイトを作る。
普通に考えると、何かの構想があれば先にそのサービスなり商品のサイトを作ってしまい、反応の具合を見てレスポンスを上げようと活動する。
(この販売促進を多くの人はマーケティングだと思っている)
先に提供するサービスのサイトを作るのではなく、マーケティング活動用のサイトを作る。つまりお客の声をより直に集める。
サイトを作り運営するには、労力と時間とお金がかかるが、石油を発掘する時に労力、時間、お金をかけない人がいないように、マーケティングされたサービスを作るのなら、
それでも金銭の問題や、コンテンツの作り方がわからないなど、どうしても無理なのであれば、既にお客の声を十分に持っているサイトの管理者に会って詳しく話を聞くようにする。
もちろん、会ってもらうために必要な努力も行う。
この方法を繰り返すことで、感覚的にであってもお客の声が耳に届くようになったら、ひとまず成果を出したと考えていい。
お客の声に耳を傾けるときに間違ってはいけないのは、対象お客層に当てはまるからという理由で友人や知り合いに感想を求めることである。
彼らはほとんどの場合、そのサービスを求めていない。
友人だから興味を持ち、手助けもしたいという理由で協力してくれるのであって、求めているから声を出してくれるのではない。
好意的な意見でも厳しい意見でも、それは「求めていない人の声」であって、参考にはならないので気をつけるようにしたい。
・・・・・・・・
メディア・出版関係者のお問い合わせはこちらからどうぞ
➔ info@esmose.jp