01.トータルサービスというしくみの考え方

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サービス全体をトータルサービスとして見てみると、時間軸で、基本サービス提供前、提供中(提供するとき)、提供後に分けて考えることができる。
お客は、店舗に足を踏み入れるなどして、その経験がはじまってから終わるまでを通じて、全体的にサービスを感じる。
基本サービスだけでサービスを体験することはほとんどない。

全体を通じて適切に提供されたか、されなかったかを感じて判断する。
もしくは提供途中で気分を害して、サービス利用がキャンセルされることもある。

ハードと基本サービスは、サービスコンセプトを100%反映することで形作られる。
しかし、しくみの段階になってはじめて、利用者の意向や受け取り方が課題として組み込まれるようになる。

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たとえば、スーパーのレジやファーストフードで、順番待ちを飛ばしてサービス利用することはできない。
お客は、待ち時間や待つ状態も含めて、サービスのプロセスをトータルで経験する。
このことが、サービス提供前と提供後のしくみ作りに大きく影響する。

サービスには、ファーストフード店のように接客に強く依存するものもあるし、公共の交通機関のようにハードの利用がイコールサービスという場合もある。
ファーストフードのように受け渡しを行った瞬間にサービスの提供が終わるものもあれば、電車利用のように目的地に到着するまでサービスを提供し続けるものもある。

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サービスが提供される方法やリードタイムの長さによって、それぞれのサービスに応じた確実なしくみを築く必要が出てくる。

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たとえばある会社の場合、英会話をはじめたいお客が申し込みをしてから、実際にスタートするまでに、自宅や職場の最寄り駅近くのカフェで無料体験レッスンを受けることができる。
講師とフィーリングが合わなければ変更することができる。
サービスを理解し、自分に合った学習法を絞るために、スタッフが対面で無料カウンセリングを行う。わからないことは何でも聞くことができる。

これがサービス提供前のしくみで、お客は不安を軽減できるし、サービスをより詳しく理解することができる。自分のスタイルと、会社のカラーが合っているかどうかを判断することができる。

ちなみに、この行為を営業だと考える人もいるかもしれない。
営業は売りたいものを売る行為であって、マーケティングではなく販売促進の考え方に近い。
この会社では、あくまでサービス提供前のしくみとして、お客に役立つことだけを正直に話す。
そして契約を望む人だけに契約方法や申し込み手順などを説明している。

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サービス提供後のしくみもある。
英会話をスタートさせて、時期や期間を空けて最初の3ヶ月に3回のメールを送り、レッスン状況や、講師との相性、悩みや不安などがないかを確認する。
レッスンや講師に問題があれば、講師と相談をするか、お客にアドバイスをする。
相性が悪ければ講師を替え、悩みや不安などがあればその声によく耳を傾けて対応する。

他にも社長がしくみを作り、管理していた初期には、半年以上続けている生徒全員に「生徒による講師の評価」をしてもらい、講師が自覚していない問題を改善するようなこともしくみ化した。

また別の方法では、一人担当者を設けて、生徒全員に電話フォローを行い、メールでは億劫だし言うほどのことではないが、電話ならなんとなく話すことができるという声に耳を傾けるようにしくみを作った。

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これらがサービス提供後のしくみで、こういったしくみを含めた全体のサービス像をお客は感じ、良いのか悪いのか、自分に合っているのかどうかなどを判断する。

このサービス提供前、提供後のしくみに対して、サービス提供中のしくみ作りもある。
それはルールであることが多い。

この会社では基本サービスは講師が提供する。
カフェでプライベートレッスンを行う場合、たとえばドリンク代は、講師も生徒も自分のものは自分で支払う。
テキストは何を使うのか、それとも使わないのかの目安を定め、それを講師に伝え、生徒がレッスンをスタートする前にテキストを買うのか、それともとりあえず英字新聞など身近なものを使うのか、あるいは全く使わないのかなどということを決める。

基本サービスそのものの質を守るためのしくみもある。

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この会社では英語のネイティブを講師として採用しており、採用までに主に三つの面接を行う。
第一に送ってもらった履歴書の内容はもちろん、書式、単語ミス、文法ミスなどがないかをチェックしふるいにかける。書類に問題がなければ電話をし、発音、言葉使いなどに耳を傾け、さらに必要な情報をその場で得る。
最後に対面の面接を行い、服装や態度などを観察する。

経歴や講師の経験はもちろん必須であるが、人間性の何をチェックするかということまで細かく決まっている。
さらに、今までに講師経験がないか、少ない人に向けて、教え方や文法説明などの講座を開催する。
この講座に参加することで、講師はレッスンの的確なポイントを理解できると同時に、生徒が何を望み、何に不安を抱えているのかということをよりよく知ることができる。
また、理由なく講座に参加しない講師未経験者には、極力生徒を紹介しないこともある。

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サービス提供前、提供中、提供後のいずれの場合も、基本サービスを中心としてトータルサービスが作られていることがわかると思う。
サービス提供前・提供中・提供後の3つのプロセス全てを通じて、

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が、しくみを作ることであり、トータルサービスの考え方である。

この考え方とは違って、無料のアフターフォローを用意することで「サービスを良くしている」と考えるのはまちがっている。
無料のアフターフォローをだけを取り上げて、それをサービスとはいわない。
あくまでトータルサービスを形作る、しくみの一部でしかない。

また、このアフターフォローがとても緻密で親切に感じるからといって、そのことでサービスが良いともいえないし、不快に感じたからといってサービスが悪いともいえない。
ここでいえることは、提供すると約束したサービスを正しく提供することができていれば、それは正しいサービスであり、提供できなければ正しくないサービスだということだけである。

前話: 第6章 04.信用はこうして守られる 
次話: 02.しくみの「改善」と「更新」

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04.信用はこうして守られる

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せっかく基本サービスを完璧に作り上げることができても、それは必死に守られなければ基本サービスは長い期間信用されない。

あるサービス業の会社のいい例がある。
多くの人にサービスを支持してもらうことができるようになった創業2年目のある日、再三の呼びかけにも応えずに、約4ヶ月間料金を支払わずにサービスを受けていたお客がいた。
スタッフは電話、メール、手紙などを使って支払ってくれるようにアプローチした。
最初は理由をつけていたそのお客は、やがて連絡を返さないようになり、社長に相談が来た。
社長はスタッフが何を行ったか、どのように行い結果がどうなったのかということを明らかにしてから、そのお客は支払う意思がないと判断した。
そして行政書士事務所に依頼して内容証明を作ってもらい、いついつまでに支払わなければ裁判所に委ねると書いて送った。

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その内容証明を送るとき、行政書士は「費用と効果、労力と効果が見合わない」と諭した。
それに対して社長は、「今ここで、レッスンをスタートしているある誰かがお金を支払わないことが許されてしまっては、この会社に期待してお金を支払ってくれ、サービスを喜んで受けて頂いているお客への裏切り行為になってしまいます。支払わなくていい、支払ってもいいというのなら、誰も支払いません。支払いを行ってサービスを受けてもらうという約束をしているし、それを信じてくれているお客が寄せてくれているサービスの信用を守るために、どこまでも支払ってもらわなくてはならないんです」と応えた。

行政書士は納得し、快く内容証明を作った。
幸い裁判沙汰にはならず、そのお客は料金を支払った。

基本サービスを通じてサービス提供者がお客に約束していることは無数にある。
約束を守らない人を人は信用しないように、

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サービスの約束は、お客に向けて交わされるけれども、実際には自分で守るために行う。
つまり約束はサービス提供者が守るためにある。
お客はその姿を見て安心してくれるし信用してくれるようになる。

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支払いを延ばしたこのお客の売上げからは利益は生まれなかった。
このお客はこの人なりの言い分もあっただろうから、内容証明を送られたことによってそのサービスに強い不満を覚えたに違いない。
けれども、最終的に人から信用されるサービスは、利益や顧客満足よりも何よりも、約束を優先する。
それはマニュアルを守って定規杓子に行うということではなく、姿勢や態度、それからサービスに対して真摯に向き合っているかということである。

前話: 03.基本サービスの治療
次話: 第7章 01.トータルサービスというしくみの考え方

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03.基本サービスの治療

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基本サービスは複雑なものではない。
とてもシンプルなものである。
しかしシンプルであるからこそ、その重要性が高く、完璧に作られ、提供されなくてはならない。

それだけに、一度不完全な状態で基本サービスを提供すると、信用を取り戻したり、新しい基本サービスに生まれ変わらせたりするには、相当の時間と、手間と、コストを必要とする。
サービスが上手く機能していないという事実に直面したとき、行うことができる治療はいくつかある。
しかしどれも万能薬ではない。

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まずコンセプトを固め直すという方法がある。
コンセプトが固まっていないとサービスの足元がいつまでも安定しない。
そして次に、基本サービスを提供するのにふさわしいハードを整える。
この2つはこれまでに見てきたとおりの基礎である。

コンセプトとハードが好ましい状態にあるにもかかわらず、基本サービスがうまく機能しないときは、コンセプトに基本サービスが合っていないか、もしくはハードに基本サービスが合っていない可能性がある。
これについても何度か触れてきた。

コンセプトが「体と心に優しい空間の提供」で、基本サービスが「生活習慣に合った動線と、バリアフリーの提供」であるはずであるのに、実際に提供しているものが「お客の話を聞いてアドバイスを行うコンサルティング」になってしまっているとサービスはうまく機能しなくなる。

また、完璧なウエスタン風のお店で、一流の料理人が腕を振るった中華を食べてもらうというようなミスマッチはサービスをうまく機能させなくなる。
コンセプトとハードの、それぞれに合ったサービスを作らないといけない。

コンセプト・ハードの問題とは別に、基本サービスの前提が失敗していることもある。
基本サービスはシンプルである必要がある。

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法人向けのサービスであれば「あなたの会社の経理を代行します」や、「インターネットSEOによってgoogle20位以内をキープします」などのように、一見して理解できるものでなくてはならない。

個人向けサービスはもっとシンプルで、「タクシーで移動」「ファーストフードで食事をする」など、一見して利用目的がわかる。

基本サービスの前提が間違ってしまうのは、シンプルであるべきものがシンプルでなくなることに原因がある。
利用者の声を聞きすぎて約束していないサービス提供をはじめたり、接客による顧客満足に凝ってしまい、基本サービスではお客が喜んでくれないような状態を作ったりしていることがある。

サービス提供者の

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たとえば、プライベートレッスンの英会話を提供すると約束しているのに、それでは不満なお客のためにグループレッスンをはじめたり、お客一人一人に完璧にマッチしたレッスンができるようスタッフがつきっきりでアドバイスしたりすると、基本サービスがうまく提供されなくなってしまう。
サービスの約束が守られなくなる。

これが、主体性の欠如と客体性の優先が同時に起こることで、サービスにコンセプトが反映されなくなるパターンとなる。
最後には、何のサービスを提供しているのかがよくわからなくなってしまう。

このようなコンセプトに沿っていない基本サービスを提供してしまったときの対応は、主に2つある。
ひとつは、コンセプトに沿っていない(反発している)

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ことによって回復を試みる方法。
原点に返りシンプルに徹することである。

もうひとつは新しいコンセプトによる新しいサービスを生み出すことで、

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こと。
多くを一つに混同せずに、それぞれ1つのコンセプトに1つのサービスを展開する。

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コムサ・デ・モードを扱うファイブフォックスは、この方法でサービス展開している。
コムサ・デ・モードはアパレルをレディース、メンズ、子供服別に分けると共に、品質のレベル分けも行う。
小物や弁当も同じブランド名で展開しながら、ネーミングに微妙な差をつけることなどによってブランドイメージを保ち、サービスを分けている。

前話: 02.味噌ラーメンとカルパッチョ
次話: 04.信用はこうして守られる

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02.味噌ラーメンとカルパッチョ

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基本サービスがコンセプトやハードに頼らず、例外的に全く別の現象で生まれることもある。
基本サービスに外れた活動が、却って基本サービスになることがある。

1950年代半ばごろ、札幌の単身赴任者が豚汁に麺を入れて食べるとおいしいという「邪道な」食べ方を行った。味噌ラーメンの発祥である。
しかしそれでは、その商品が豚汁なのかラーメンなのかはっきりしない。
お店は豚汁を提供するお店なのか、ラーメンを提供するお店なのかよくわからなくなってしまう。
はっきりしないものをコンセプトや基本サービスとして決めることはできない。

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ところがそのアイディアは研究されてひとつの商品となり、札幌の多くの店で基本サービスとして提供されることに成功した。
味噌ラーメンの専門店が生み出され、70年代には全国に味噌ラーメンが広がった。
特殊なケースだが、基本サービスがコンセプトよりも先行することは現にある。

味噌ラーメン単体としての「商品」が広まっただけなら、それは単なる商品開発でしかない。
たとえばヴェネツィアのハリーズバー発祥のカルパッチョがある。
医者から調理した肉を取ることを禁じられている客の要望に応え、オーナーが機転を利かせて生肉を薄切りにし、マヨネーズとマスタードのソースを網目状にかけて提供したことで、カルパッチョという料理が生まれた。
しかしカルパッチョは単体としての商品として世界に広まり、サービスにはならなかった。

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味噌ラーメンはそれ自体をコンセプトに専門店が生まれ、基本サービスとして提供されるようになった。

サービスは新しい価値観を社会に生みだすことがある。
ライフスタイルを変化させる影には必ずサービスがある。

味噌ラーメン提供のサービスは、コンセプトよりも先に物事(商品やニーズ)が動いた場合に、コンセプトとは別のところで基本サービスが決まることがあることを証明している。

しかし、基本サービスがコンセプトよりも先に決まる場合であっても、サービスが実際に提供される前にコンセプトとハードは作られる。
味噌ラーメンの発明によって味噌ラーメン店を展開するとしても、店舗を構える前に味噌ラーメンを提供することはできない。
実務運営上でサービスを提供する場合は、基本サービスの前に必ずハードの構築が必要となる。

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前話: 01.基本サービスを作る
次話: 03.基本サービスの治療

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01.基本サービスを作る

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基本サービスとは、提供するものそのもののことである。

銀行は融資が基本サービス、飲食店は食事の提供、タクシー会社は車を使って場所の移動を提供し、クリーニング店は衣服の汚れを落とす。
スターバックスはエスプレッソベースのコーヒーを、マクドナルドはハンバーガーを提供する。
これらが基本サービスとなる。
基本サービスがなければ、サービスは成り立たない。

基本サービスとして何を提供するかを決めるとき、考えるべき必要な条件は2つある。
ひとつは、基本コンセプトと個別コンセプトの2つのコンセプトに沿って決めるということ。
もうひとつは、既に作られたハードに沿って決めるということである。

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基本コンセプトは、誰もが判断しやすい言葉で理解することができるコンセプトである。
「英会話スクール」「ファーストフード」などがある。
中華料理店では中華料理が提供される。
リフォーム会社は住居スペースのリフォームをサービスとして提供する。

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この最も基本的なサービスが、基本コンセプトによって決まる。
シンプルで分かりやすい考え方なのだけれども、むしろ基本コンセプトは提供しないものを明確にする。

マクドナルドで牛丼が提供されることはない。
中華料理店ではナポリタンを提供しないし、リフォーム会社は家具の販売を行わない。

基本コンセプトは基本サービスの大枠として、提供するものを決めると同時に、提供しないものは何であるかを明らかにする役割がある。

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個別コンセプトは基本コンセプトの枠組みの中で、提供するものとしないものをよりはっきりさせ、サービスの方向性を決める。
個別コンセプトは、お客の求める本質的なところを反映するために生まれる。
だから、個別コンセプトを基本サービスに反映するときは、脳がしびれるくらいそれを最も生かす方法を具体的に考え、サービスに落とし込むことがサービスの責任になる。

こういった責任を果たしているのであれば、お客の気分による要望にむやみに応えることはしない。
なぜなら、私たちが求められていることに応えるサービスをむやみと変えてしまうと、結局はサービスの成果が発揮されなくなるからだ。
または先に利用した人と、後に利用した人の間に差が生まれるとクレームにつながる。

だから個別コンセプトはどのように表すかを完璧にしてサービスに落とし込み、一度サービスの形を作ったらおいそれと変えてはならない。
一度作ったサービスが「お客に対する約束」であって、約束は何が何でも守られなければ、約束をただしく守っているお客が損をした気分になり、必要としているお客が去っていくことになる。
こうして、必ず提供するものと、絶対に提供しないものを決めることが基本サービスになる。

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ディズニーランドのパレードを他の遊園地で行った場合、リッツ・カールトンの接客をビジネスホテルで行った場合と、その逆のケースを見た。
ハードに合っていない基本サービスは、サービスの機能を狂わせてしまう。

「体と心に優しい空間の提供」を謳うリフォーム会社の社員が、汚れたバンで乗り付けたとしたらどう感じるだろう。
または全く逆に、光り輝くベンツでリフォームに来るとしたら何か違和感を覚えないだろうか。
基本サービスが滞りなく完全な状態で提供されたとしても、お客は心の喉仏に魚の骨が引っかかったような感覚を覚える。

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お客の感じるなんとはない不快感は、ハードと基本サービスのイメージが合っていれば解決される。
ハードを作るときに基本サービスを意識して作り、基本サービスを行うときにハードを最大限生かしているかということを気にかけていればいい。

それでもハードと基本サービスのミスマッチが起こってしまうのは、多くの場合ハードはハードで「より良くしよう」、基本サービスは基本サービスで「より良くしよう」という働きかけを行ってしまうことに原因がある。
究極にはウエスタンカウボーイ風の店で、最高の腕を振るった中華料理を提供してしまうようなことにもなりかねない。
このことはハードと基本サービスのバランスや相乗効果に注目すれば防ぐことができる。

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しかし、最初はコンセプトとハードを中心に基本サービス提供していても、「売上げが上がらない」などの理由によって、本来提供するはずのないサービスを提供してしまうことがある。

たとえば「体と心に優しい空間の提供」のリフォーム会社で、「顧客ニーズに応えて」家具の販売を行ったり、風水を取り入れてどこに何色のものを置けばいいのかのカウンセリングを行ったりする。
しかも悪いことに、それがサービスを良くすることだと信じてやってしまう。
こうして「体と心に優しい空間の提供」のリフォーム会社のオフィスや店舗が、家具販売やカウンセリングのイメージに合わなくなってしまうことはよくある。

このような変化を起こすと、サービス提供者はふと立ち止まって気がついたときに「何をなぜ提供しているのか」という意味を見失う。

既に最初のコンセプトからは大きく外れてしまい、(売上げなどの)不安を解消するためにサービス提供を続けることが目的になってしまう。
このようなサービスは、最終的にお客が求めるものに応えることができなくなるし、もともと支持してくれていた大切なお客を去らせてしまう。
この現象は、基本サービスのルールを守らないために起こる衰退といっていい。

前話: 第5章 05.ハード作りを許される者
次話: 02.味噌ラーメンとカルパッチョ

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05.ハード作りを許される者

コンセプトはサービスをはじめた最初の1人か2人によって作られる。

コンセプトを決めるには、感覚と理論の両方が要求される。
考えればできるというものでもなく、感性が鋭く敏感な人ができるというものでもない。
右脳と左脳のバランスが良く、しかも両方使いこなせる人にしか作り出すことができない。
もう少し正確に説明すると、右脳で得たこれまでの情報や経験、感じたことなどを、左脳で見出し、まとめ、説明でき、伝えることができなければならない。

右脳で得る情報は量に頼らなくてはならず、イメージを明確にする前提として、そのサービス分野での行動、経験、調査、知識の豊富さなどが必要とされる。
しかも、思考が未来を向いていなくては、結局不満の姿が明らかにされるだけで終わってしまう。
コンセプトは過去の事例や現在うまくいっている実例を見て作るものではない。
それはあくまで情報の一部でしかなく、未来のイメージを強くはっきりと持つ人だけが、その情報をオリジナルのコンセプトという形にすることができる。

これほど困難な作業と才能や感性を必要とするので、コンセプトは最初の1人か2人によって作られる。
誰にでもできることではない。
このプロセスで

がハードを作ることを許される。
コンセプトを忠実にハードに反映することができる。

表面上の理解しかない、自分中心の解釈を行う人がハードの担当者になったとき、そのハードはデザイン案の好き嫌いや最先端であるかどうかなどで決まってしまう。
そうして決まったハードは見てくれはいいのかもしれないが、コンセプトが反映されず、サービスとマッチしなくなる可能性が高くなる。
したがって、ハードの構築はコンセプトを守ることができる者が、最初からハード構築を担当する必要がある。

 
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04.コンセプトが反映されないケース

コンセプトに忠実にハードを設計しているのに、その伝達がうまくいかない場合がある。

想いを込めて告白しても相手に気持ちが伝わらないことが人生にもあるように、コンセプトを的確に反映したはずのハードが、お客にうまく伝わらないことがある。
コンセプトを反映して完璧にでき上がるはずが、結果を見てみるとコンセプトとは似ても似つかないものに仕上がっていることもある。
これはハードが変更しにくいという特徴を持っているだけに悲惨な結果のスタートラインになる。

そのような状況なってしまった原因は、伝え方の問題、専門家との問題、こだわりの甘さの問題、の3つがある。

サービス提供者が、コンセプトを正しく伝えていないケースがある。
伝えていると思っているのに、伝わっていないことがある。
コンセプトは正しいのに、伝え方が間違っているケースである。

たとえば、タイ料理のレストランを行うとして、「現地の雰囲気を色濃く出す」という個別コンセプトを生み出したとする。
個別コンセプトとしてこれは正しい。
タイの木彫りの人形を置くことや、テーブルやイスは現地のものを使うことなどは、このコンセプトに適っている。

しかし、コンセプトに則って現地の屋台と同じ設備、同じ衛生の店を出してしまっては、そのサービスは失敗してしまう。衛生管理が悪く、質の悪い油で揚げ物を揚げていては、いくらコンセプトに忠実でも、それがお客に正しく伝わらない。
逆に、食器類の安っぽさや汚さ、揚げ物を食べた後の胸焼け、衛生面の問題によって拒絶されることになってしまう。

本来の

お客は正しいかどうかよりも、なんとなくどう感じるかを重視している。
コンセプトが正しく、それに適ったハードであったとしても、伝えるべきサービス利用者に伝わらなくては意味がない。

このような状態を指して、能楽の大家世阿弥が花伝書の中でこのように言っている。

要するに唐人(中国人)の物まねは、扮装を唐風にするほか方法はない。謡いも所作も、どんなに唐風ということを、せっせとそっくり似せてみても、見物人には分かりっこないので、おもしろいとは思われないものだから、ただどこかひと様子だけ唐めいた風に工夫してやるのがよいのである――この写実とは変わった格好でやることがかえって本当らしく見えるということは、一寸したことのようだが、物まね全般にわたる工夫である
(「花伝書」世阿弥著より引用)

つまり、中国人の真似をするとき、観客は中国人がどのような人たちかを知らないので、どこか中国風に見えるように工夫してやればいい、正しくする必要はない、工夫する必要がある、と言っている。

私たちもハードを作るときにこの言葉を思い出すようにしたい。
コンセプトをハードに反映するときに大切なことは、コンセプトが伝わることであって必ずしもコンセプトを完璧に反映することではないということである。

専門家との問題はコミュニケーションの問題と、レベルの問題の2つがある。

コミュニケーションの問題というのは、コンセプトをデザイナーや施工業者にうまく伝えることができないことを指す。
実際にこれはよく起こる。

なぜなら、コンセプトというのは非常に抽象的な物事であって、考えを正確な言葉に表すこと自体が難しいからである。
正しく言葉にすることができたとしても、相手の頭の中にあるハードのイメージ像がコンセプトと一致しているかを判断することは難しい。
この問題は必要な専門知識を学んだり、図面や絵で視覚化したりすることである程度解決することができる。

あとは実作業でウォルト・ディズニーが行ったように、修正や改善を加えることができるよう進捗状況を見守ることが大切になる。
もちろん、実作業に入る前に綿密な打ち合わせは行うようにしておきたい。

レベルの問題というのは、正確にコンセプトを伝えることができたとしても、専門家の理解レベルや技術レベルが低いため、思ったとおりにハードが作られないことである。
問題の本質が自分にではなく相手にある。
これは、複数の業者に見積もりを出したり、担当者を変更したりすることで解決につながる。

正確にコンセプトを伝えることができ、業者がコンセプトに沿ってハードを構築することができても、細部までこだわりが行き届いていない場合や、こだわりとこだわりを組み合わせたときに相性やバランスが悪いということがある。
原因はコンセプトが弱いことにある。

コンセプトを設計するとき、ハードを作りこむときにもっとこだわりを反映できるように行動すればこの問題は解決される。
コンセプトが完全でないのなら、その状態でハードを構築してしまったこと自体が問題である。

一度ハードが作られてしまったら、それをリセットすることはできない。
こうなるとハードの不備は残り続けることになる。
時間とコストはかかってしまうが、サービス提供がはじまってから徐々に改善し、少しずつ完璧を目指すしか方法はない。
将来店舗展開できるのであれば、規模の大きい新店舗を構えたときに不備の残る最初の店舗を閉鎖するというのもひとつの方法である。

 
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03.ハードは「なんとなく」理解される

お客はハードを五感で感じる。
明確な目的意識があって判断するのではなく、見て、触って、聞いて

判断する。理論で判別するのではなく、

サービスのコンセプトをハードに組み込むためには、そのサービスを提供されるお客側の立場に立って、自分たちが伝えようとするコンセプトが感覚的になんとなく、しかし確実に伝えることができるかどうかを確認し、改善しながら進める必要がある。

その作業を無視して思い入れでハードを作ってしまうと、お客から全く理解されないものができてしまうことがある。

ハードと基本サービスがミスマッチしていると、いくらコンセプトを反映してもサービスが台無しになることがある。

たとえば東京ディズニーランドのパレードを、東京の豊島園や大阪のひらかたパークで行うとどう感じるだろう。
ディズニーランドのパレードは、ディズニーランドのメインコンテンツである。
あれほど派手に、あれほど訓練された、実際の演劇を見ているのかと錯覚するほどのパレードでさえ、ディズニーランド以外の遊園地で感動的に体験することはできないだろう。
ミッキーが、ドナルドが踊って喜ぶことができるのは、シンデレラ城のあるディズニーランドの世界だからこそなのだ。

逆に豊島園やひらかたパークには、それぞれの良さと楽しみがある。
これらの遊園地で楽しむことのできるイベントをディズニーランドで行ったとしても、同じようにうまく行くとは思えない。

リッツ・カールトンやフォーシーズンズ・ホテルは熟練した接客者によってラグジュアリーな気分を楽しませてくれる。
しかしこの接客をビジネスホテルで行っても効果は出ない。むしろミスマッチによってお客は違和感を覚えるだろう。

出張サラリーマンに好評のビジネスホテル東横インでは、朝食におにぎりが出る。このおにぎりは厨房のおばさんが作ってくれた、でき立てのほやほやである。
朝から元気よくこのでき立てほやほやのおにぎりが振舞われる。
同じ接客をラグジュアリーホテルで提供したとき、私たちは何かミスマッチを感じてしまう。

この、

さらに、マーケティングをダメにし、販売促進を行わなくては集客できない状態を作ってしまう。

運良く集客できても、お客は違和感を感じているので事業主はお客離れが起きないように接客を駆使していろいろと工夫を凝らさなくてはならなくなってしまう。

こうなってしまうと、基本サービスや接客でいくら努力をしても、お客の信用を取り戻すことは難しくなる。
むしろ、努力すればするほどミスマッチが浮き彫りになってお客離れが進み、サービスがダメになってしまう。

このような法則があるので、コンセプトをハードに反映することは、基本サービス、しくみ、接客よりも先に優先して行う。

しかも、ハードの構築はサービス提供前に全てできあがるので、

という特徴もある。
サービスを構築する4つの作業の中で、変更が最も難しいという特徴も、ハードが優先される理由となる。

ハードは誰の目にも明らかに見え、聞こえ、感じ、時に匂う。
高級料理店には高級料理店のハードがある。
焼鳥屋には焼鳥屋の、ラーメン屋はラーメン屋のコンセプトにマッチしたハードがある。
実際に街で特徴を見ればわかる。
ディズニーランドはディズニーランドの、スターバックスはスターバックスの、セブンイレブンにはセブンイレブンのコンセプトマッチした統一感のあるハードがある。

前者が基本コンセプトを反映したハードで、後者が個別コンセプトを組み込んだハードである。

ハードを作るとき、私たちはコンセプトがハードに反映されるかどうか(サービス提供者のこだわり)と共に、そのハードがサービスの全体像とうまくマッチしているかどうか(お客がどう感じるかということ)に気を配る必要がある。
ぴったりとマッチしていれば、お客がそれをどのように「感じる」のかというところを想定して、修正や改善を加えることで完全に近づくことができる。

 
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02.基本コンセプトのハードへの反映

サービスはコンセプトを反映する作業だといえる。
サービスが完全に作られてからも、何のためにサービスを続けるのかというと、それはコンセプトを反映し続けるためである。

コンセプトを反映するために提供するべきものを決め、一度決めたら提供することを約束し、確実にそれを行う。

たとえば人の命を救う医者は、そのコンセプトを反映するために、外科手術や癌の放射線治療を行うだろうし、弁護士は人が法と法律に則って健全な生活を助けるための弁護と法的作業を行う。
それは裁判で被告の無実を晴らすこともあれば、内容証明を作成するなどの事務作業の場合もある。

どのサービスでも、コンセプトを反映するためにサービスが存在していて、もしハードがなければこれらのサービスをそもそも提供することができなくなってしまう。

どんなに腕がいい外科医でも、手術室と道具がなければ患者の命を救うことはでないし、癌の専門医はレントゲンや放射線機具がなければ治療することができない。

弁護士は裁判所がなければ被告人の無実を晴らすことができず、紙とペンと印鑑がなければ内容証明一通作ることすらできない。

証券や金融のように目に見えないものを扱うサービスでも、オフィスや店舗を必要とする。

飲食店、ホテル、美容室、タクシー会社などはサービスのハード比重が高く、ハードが直接サービスを提供していることがわかる。

基本コンセプトを反映したハードというのは、サービスを反映するために必要な

のハードのことを指す。
「最低限」というのは、

という状態を解決することをいう。

サービス提供者は、この最低限のハード構築は行わざるを得ない。
ところが基本コンセプトを反映するだけでは、全体的なサービスとして面白みに欠けてしまう。

もちろん、業界には業界の雰囲気があるので、基本コンセプトをハードに反映するときは、この雰囲気を無視してはならない。
弁護士事務所や証券会社の店舗の壁紙がパステルカラーでは信用問題になるだろうし、託児所や保育園が弁護士事務所のような雰囲気では、母親はそこに子供を預けたいとは思わないだろう。

このことからわかるのは、基本サービスがどんなにすばらしくても、ハードに不備があればお客に信用されないということで、サービスが良いか悪いかを考える以前にハードをよくよく考えなければならないということを示してくれている。

サービス提供者が重要であるにもかかわらず軽視してしまうのは、ハードの構築に対する個別コンセプトの方である。
個別コンセプトを反映しているサービスが、どれほど力強いかを見てみよう。

ディズニーランドでは、個別コンセプトのハードへの反映が完璧に行われている。

各アトラクションで空調機などの機器類は、サービス利用者の視界に絶対に入らないように設計されている。
各ワールドでは地面の色、香り、音楽が全て異なり、各ワールドの境目には両方の音楽が重複しないように必ず滝が設けられている。

スプラッシュマウンテンのクライマックスでは滝から落下して水しぶきが飛び散るが、この水しぶきは、その温度と飛び散る水量が夏場と冬場で異なる。
ディズニーランドはこうして夢の国というコンセプトをハードに反映している。

シアトル系コーヒーの先駆けとして日本に上陸したスターバックスでも、ハードは徹底的にルール化されている。

各店舗は同じような雰囲気を保ちながら、ひとつとして壁面が同じデザインはない。
しかし雰囲気には統一感がある。
家庭でもオフィスでもないサードプレイスであるという個別コンセプトを満たすために全てが考えられ、計算されている。

店舗ではなく、オフィスでもハードに対する個別コンセプトの反映は見られる。
特に北欧系の企業はオフィスデザインに優れているようだが、日本にも個別コンセプトをハードに反映する会社はある。

ある新卒採用に特化した人材のコンサルティングを行っている会社では、一階の入り口を入るとワインセラーがあり、お洒落なイタリアンレストランと見紛うフードスペースがあり、ホテルに入り込んでしまった錯覚を受ける。

別フロアのオフィススペースは全体的にオレンジの光で照らされ、職場の雰囲気と働く気分に対してハードが設計されている。
それぞれの会議室はそれぞれのコンセプトを持ち、雰囲気と気分を変えて会議を行うことができるように作られている。

ハードにこだわる姿は、事業主や経営者の自己満足という場合もある。
それは、「コンセプトを反映し、正しいサービスを提供するため」にこだわりを反映するのではなく、「個人の欲望や見栄を反映」したときに起こってしまう。

しかし、純粋にコンセプトを反映することに集中して細部にこだわるとき(たとえそれが事業主が気乗りしないことであっても)、正しいサービスを提供する完璧な舞台が整えることができる。

ウォルト・ディズニーがはじめてカリフォルニアにディズニーランドを創ったとき、ランド内をくまなく歩き回り、業者に細かく指示と注文を出した。
現場に立会い、コンセプトを反映するための労力を怠らなかった。
(しかしそれでも、炎天下でアスファルトが溶け、婦人のヒールのかかとがめり込んだという逸話もある。もちろん現在ではアスファルトは改善されている)

ジョルジオ・アルマーニは新作のコレクションを行うとき、舞台の雰囲気や具合、照明の位置と影の関係などに関して非常にうるさく口を出す。
これは完璧主義であり、プロであることの表れだと見ることもできるが、サービスを分解して考えたときには、ハードによるサービス構築に力を入れる行為だと理解できる。

個別コンセプトを反映する上で、これらの事例からわかることは、ウォルト・ディズニーにしてもジョルジオ・アルマーニにしても、

ということである。
彼らは直接ハードを作らない。
しかし彼らはサービスを完璧にするために

私たちもその姿勢を取り入れるようにしたい。

 
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01.ハードを作り上げる

2種類のサービスコンセプトが決まると、サービス作りをはじめる。

サービス作りには4つのステップがあり、ハード、基本サービス、しくみ、接客の順番に作り上げていく。
もちろん、サービスコンセプトを設計図とする。

なぜ4つのステップに順番があるのかいうと、ハードがなければ基本サービスが、基本サービスがなければしくみが、しくみがなければ接客が、それぞれ上手く運ばないからである。

また、4つのうちのどれかが不完全なままにサービス提供をはじめると、その後に続くステップではサービスの正しい提供を取り戻すことができなくなるという理由がある。

4つのステップを順番に作り上げ、できあがったものがサービスのあるべき姿になる。
こうやってコンセプトを反映して作られたサービスは強い。
サービスに対する信頼性も強いし、顧客満足度も高い。

このようなサービスは売りつける販売促進をほとんど必要とせず、お客自身がサービスのことを知ろうとするお客主体のマーケティングを可能にする。

ディズニーランド、リッツ・カールトン、スターバックス、マクドナルドなどは言うまでもなく、コンビニやファミリーレストランもマーケティングされたサービスを扱っている。
お客がそれらのサービスのコンセプトを正しく理解し、利用しようと考えている。それを根本的に可能にしているものがサービス設計にある。

順を追ってサービス設計の手順を見ていくことにしよう。

ハードは軽視される。
コンセプトを反映し、サービスを設計する最初に位置していながら、ハードの重要性はサービスを形作る4つの要素の中で最も軽視されている。
しかしハードは、サービス設計でも、ブランド構築でも欠かせない役割を果たすとても重要なポジションにある。

たとえば飲食店の場合、「ハード」は店舗、「基本サービス」は料理、「しくみ」はオペレーション、「接客」は文字通り接客を意味する。

ハードが軽視されてしまうのは、「料理」「オペレーション」「接客」には、それぞれの専門家を事業内に抱えているのに対し、店舗の造りに関しては外部に委託するしかないというのが理由として大きい。

事業者にハードの知識がなく、料理人であれば料理、経営者であればオペレーション、接客者はサービスの提供と、本業を優先してしまうためにハードの構築がどうしても軽視されてしまう。

サービス設計の第一歩として、私たちはまずこのことを克服しなくてはならない。

 
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