接客の役割は片方ともう片方を調整することにある。
調整には、マッチング・統合・バランスの3つがある。
救急車によって交通事故に遭った急患が病院に運ばれる。
その急患の容体と、たとえば外科の先生による緊急手術、あるいは応急処置など、適切な対応を状態と結びつけ、当てはめることが
となる。
相手のニーズと提供者のサービスを
ことがマッチングである。
患者は緊急手術を行う。
外科医は止血、消毒をし、骨折を治療し、切り開いた皮膚を縫合する。
医療技術と傷の処置を
させる。
両者は結果として
統合される。
患者はその後入院し、治療回復に専念する。
看護婦、理学療法士は、回復の具合に合わせて食事を替え、リハビリのメニューを変える。
傷の具合、回復の状態、本人の意思などを検討して、入院を継続するべきか、退院させるべきかを
する。
を行うことを旨とする。
これらの
は、全てサービスの提供でありながら、必ず接客者の判断によって接客者が媒介して提供する。
このマッチング、統合、バランスを行う調整者が接客者であり、同時に存在する2つの物事を調整することこそが、接客の役割になる。
マッチング、統合、バランスが接客の役割であるということは、接客者はその前提に対象となる両方の正しい
を必要とする。
理解は、正しく運用されるためのマネジメントによる
を核にする。
事業理念がマッチング、統合、バランスに応用され、実践される。
も理解と事業理念の前提に基づく。
理解と事業理念ではなく、自分の経験を接客に当てはめた考え方や実践はうまくいかない。
同じように、片方(サービス側かお客側)に肩入れをする考え方もうまくいかない。
どちらも接客活動を行う上で必要な、理解と事業理念がないために、その場はうまく収まっても長い目で見るとサービスをダメにしてしまう。
曲がった定規でまっすぐな線を引くとき、定規に沿って正しく線を引けば引くほど、まっすぐな線にはならないような状態が生まれる。
問題が間違った答えではなく、間違った前提に対する正しい答えにある。
これが、接客が事業やサービスを破綻させる原因になる。
ところが接客者の多くが、接客が何であるかを十分に理解していない。
事業理念がない事業主も多い。
このような状態の中では、勘と経験によって顧客のニーズに応える、天性の接客者だけしか活躍することができない。
実際、接客業と呼ばれる多くの事業は、「お客の不満」と「マネジメントの接客に対する不満」が接客活動の基盤になってしまっている。
不満を解消することが、接客の役割であり仕事になってしまっている。
何かを生み出すことではなく、問題を解消することが仕事となっている。
あるいは、問題を生じさせないように無難に行うことが目的になっている。
このような接客はうまく働かない。
少なくとも事業を発展させる働きをしない。
接客の仕事はマッチング、統合、バランスではない。
サービス提供と販売である。
事業によって、サービスによって比重は変わるが、基本的な仕事は提供と販売である。
接客者は行動しながら、成果を上げながら、提供と販売、事業と顧客をバランスする。あるいは統合し、マッチングする。
ということは接客の仕事の前提に、マッチング、統合、バランスは事業によってプログラムされている必要があるということになる。
ルール化されていなければ、接客者は正しく仕事を行うことができなくなる。
何に対してマッチングし、統合し、バランスするのか、その比重はどのようなものであるのかをあらかじめ決めておく必要がある。
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