サービスが個人に感情をもたらす。
サービスによってもたらされる感情には、満足、感動、感謝がある。
ではサービスが個人にこれらの感情を生み出すとして、サービスの明日に何がもたらされるのか。
サービスに満足した利用者は、そのサービスを利用し続ける。
利用し続けることでサービスが機能し続け、そのサービスがもたらす社会貢献は促進される。
サービスに感動した利用者の中には、感動の伝達者になることで、そのサービスを促進する働きかけを行う人が出る可能性がある。
この心理の展開によってブランドは強化され、社会的にサービスが正しく認知される。
あるいは、感動のサービスにヒントを得たサービス事業者が、自社のサービスのしくみと接客を改善したり、コンセプト中心のサービスを見直したりするきっかけを持つことにつながる。
サービスによって感謝をもたらされた利用者の中には、そのサービスを提供する側に立ちたいと考える人が出ることがある。
医者によって命を救われたので、命を救うサービスに携わろうとする人が生まれる。
サービスを必要としている人に次は自分が提供することで感謝してもらい、感謝した人がまた人の役に立つサービス業に就くという、サービスによる貢献の循環を作り出すことも不可能ではない。
サービスが個人にもたらす感情は、このようにしてサービスの明日を促進させる効果がある。
サービスは社会に対して活動する。
しかし利用者は個人であり、私的にそれを利用する。
お客が私的にサービスを利用するとき、サービスはお客に感情の喚起をもたらす。
その感情は私的にサービスを利用しながら、公的に社会に還元する作用となって反映される。
私的利用と公的貢献が相互作用しはじめる。
人は、社会で自分の役割や位置を確認することができなくなったとき、生きていることの意味がわからなくなる。
サービスが個人に感情をもたらすとき、人はサービスを利用することで社会での自らの位置を見出し、役割を知り、かかわっていくことができるようになる。
そして自分の役割を、サービスを通じて社会に還元することで提供者となり、再び利用者に感情をもたらす。
これが、サービスが個人にもたらす明日であり、サービスの明日はその個人によって作り続けられる。
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