03.しくみ作りの3つのルール

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もともとサービスは、コンセプトが生みの親になる。
ハードも基本サービスも、コンセプトによって作られる。

脇役であるしくみは、これらの主役とコンセプトを反映するものにする。
少なくとも、反対はしないようにする。
演劇を成功に導く、脇役の仕事は何かということを考えるようにする。

たとえばファーストフード店では、調理の方法、調理台の位置、調理前の材料の保管場所など全てが決まっている。
そして、現在提供できる現品がないときでも、オペレーションに従って数分の調理を行うことで提供することができるしくみが作られている。

それは「ファースト」フードというコンセプトを、トータルサービスによって提供する目的があるからで、提供するまでの調理・動線・手順も、その目的のために作られている。
これがしくみによってトータルサービスを構築するということである。

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サービスのしくみはトータルサービスを作り上げるためのもので、従業員が働きやすいように作られるものであってはいけない。
したがって、従業員の便利、快適などの「効率」を中心にしくみが作られるのではなく、サービスに必要な「効果」を中心にしくみを作るようにする。

サービスに必要な効果というのは、提供すると決めたものを確実に提供することと、その約束を守ることである。
ただし、効果をあげるために効率が必要なときは、その方法を優先していい。
私的な欲求を満たすためではなく、公的な、サービス提供の目的を満たすために作るという決まりを守るようにする。

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しくみは基本サービスをうまく提供するために作られるけれども、必ずしもお客に満足してもらうようにする必要はない。
感動してもらわなくてもいい。
ただ、不満に感じてもらうことは避けなくてはならない。

ディズニーランドのアトラクションは長時間並ぶことで有名だが、待ち時間の中にも楽しむ要素を取り入れていることはよく知られている。

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パナソニックのノートパソコンが故障してサービスセンターに電話をする。
そしてどうしても修理に出さなくては直らないとき、配送に関しては専属の業者が専用のパッケージを持って、お客の都合のいい時間に引き取りに来てくれるようになっている。
少なくとも、配送に関しては待っているだけでいいのでストレスが軽減される。

小さなしくみとしての工夫がつまりはしくみであり、サービスするときに感じるお客のストレスを軽減するか、削除するしくみ作りを前提にする。



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